映画『流転の地球 -太陽系脱出計画-』本国中国で歴代興収トップ10に輝いた超ビッグスケールVFXのSFアクション!

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「スケールの大きさ」という特質は、ある意味中国という国が持つ特徴の一つでありますが、今回紹介する映画『流転の地球 -太陽系脱出計画-』のテーマも、その例に漏れず「途方もないスケールの大きさ」を感じさせるもの。

ジャンルとしてはSF、未来の地球において人類存続の危機に対し奔走する人々を描いたもの。これまでも『アルマゲドン』『さよならジュピター』など、地球の終焉を阻止すべく戦う人々を描いた作品は多くありました。また科学という分野では「太陽系の崩壊が訪れたら」「太陽自体が終焉を迎えたら」といった予想される危機に対し「地球を脱出し第二の地球を探す」なんて解決策が大体論じられている有様。

ところが本作でおこなわれようとする解決策は、なんと「地球自体に巨大なエンジンをたくさん設けて、地球ごと太陽系を脱出する」というもの。地球を脱出するという計画もかなりの大規模な計画になるかと思いますが、これに対して本作のコンセプトは、正直規模が大き過ぎてなかなか…ピンとこない人もいるのではないでしょうか。

一方でこの物語はハラハラドキドキのSFアクションだけでなく、「人類存続の意義」的な普遍的かつ重要なテーマに踏み込んだ筋金入りのヒューマンドラマ要素も満載。近年群を抜いて注目を浴びている中国産のビッグスケールなVFX映像もさることながら、そのストーリー性も要注目の作品であります!

いやいや、近年では映画分野でもさまざまな分野において優れた作品を輩出している中国でありますが、この作品は、やはりどう考えてもスゴ過ぎ…!

映画『流転の地球 -太陽系脱出計画-』概要

作品情報

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本国・中国で大ヒットしたSF小説『三体』の原作者・劉慈欣による短編小説『さまよえる地球』を原作としたSF映画『流転の地球』のシリーズ第二作。

前作に続いて作品を手掛けたのは、グオ・ファン監督。さらにキャストとして

『戦狼 ウルフ・オブ・ウォー』のウー・ジン、『インファナル・アフェア』シリーズのアンディ・ラウ、『始皇帝暗殺』のリー・シュエチェンと、現代の中国映画界を代表する俳優陣が名を連ねています。

あらすじ

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100年後に太陽が老化によって膨張し、300年後には太陽系が消滅するという予測が立てられた未来の地球。この危機を脱すべく、地球連合政府は1万基のロケットエンジンを地球に設け、人類を地球ごと太陽系から離脱させるという壮大なプロジェクト「移山計画」を始動させます。

計画が着々と進む一方で、計画に反対するゲリラや各国の思惑、内紛は絶えず、社会にも不穏な空気が流れ始めます。

一方、量子科学研究者トゥーは禁断のデジタル技術により、事故死した娘をよみがえらせようとしていました。そしてその禁じられた行為に足を踏み入れた瞬間より地球は未曾有の危機に迫られ、連合政府の中国代表ジョウは、大きな決断を迫られることになるのでした……。

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作品情報

製作:2023年製作(中国映画)

原題:流浪地球2(英題:The Wandering Earth II)

監督:グオ・ファン

出演:ウー・ジン、アンディ・ラウ、リー・シュエチェン、シャー・イー、、ニン・リー、ワン・ジー、シュ・ヤンマンツー

配給:ツイン

劇場公開日:3月22日(金)より全国ロードショー

圧巻の大スケール映像に普遍的なテーマを絡めた奥深いストーリー

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本作は2019年に公開された映画『流転の地球』の続編という位置づけの作品でありますが、前作が「地球が太陽系の周回軌道を脱し流転活動にある中で遭遇したトラブル」を描いているのに対し、本作は地球の危機を察し回避するために行動を始めた人類の物語。つまり前作の前日譚的なストーリーであります。

宇宙開発が急速に進む現代。本作のようなテーマは突拍子もないアイデアのようにも思える一方で、以前に比べればどんどん現実味を増しているようにも感じられます。SDGsなどの活動をはじめ社会的にも「人類が生きるために、人間がやっていかなければならないこと」ということを盛んに論じられている近年の傾向は、そんな潮流の最たるものといえるでしょう。

一方でその「人類の危機に対する対策」の活動をする動向に対し反対する集団がゲリラでその活動を妨害するという流れは、人類という多くの存在全てが足並みをそろえるということの難しさを改めて感じさせるものであります。

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先述の『さよならジュピター』でも、地球存続計画を妨害するレジスタンス的存在が登場したことからも、「『地球の危機回避』という究極的な課題があっても、人間全てが完全に共感しあうことは難しい」という命題を深く考えさせられるようでもあります。

実は、そのレジスタンスたちの思想はある意味本作でも大きなポイントといえるもの。本作のエンディングでは、人間が作り出した「人間ではないもの」が人類の存続意義を問い、物語の展開に対する大きな鍵を握っていたことが判明します。

見方を変えると、アーノルド・シュワルツェネッガー出演で大きな人気を博した映画『ターミネーター』シリーズの視点を変えると、こうした物語を紡ぐことができると見ることもできるでしょう。

なかなかに深いテーマも孕んだこの物語でありますが、とにかく圧倒的な迫力を持つ映像美は圧巻。単純にエンタテイメント作品を期待して見ても、見どころ満載の強烈なドラマで、中国歴代興収ベストテン入りというのも納得の超大作であります!

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