皆さんこんにちは。そら嬢です。
突然ですが、現代美術はお好きですか?
何ですって?
よくわからない?難しそう?近寄りがたい?
……その気持ち、よーーーくわかります。
私は現代美術が好きですが、それでもおんなじ気持ちです。
難しいし、わからないし、足を踏み入れるにはなかなか勇気がいります。
でも、現代美術もとっても素敵で面白いんです。
ちょっとでも現代美術がどういうものかわかればきっと、触れてみようかなと興味が湧いてくるはずです。
そもそも、現代美術って何?
現代美術とは…
現代美術(げんだいびじゅつ、英語: Contemporary art)または現代アート、コンテンポラリー・アートとは、歴史の現代を借りた用語で、美術史における今日、すなわち20世紀後半の第二次世界大戦後の1950年以降から21世紀までの美術を指す[1]。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E7%BE%8E%E8%A1%93
つまり、ざっくり言うと20世紀以降に生まれた美術の総称ですね。
Wikipedia先生によると第二次世界大戦以降となっていますが、20世紀前半のキュビズムやシュルレアリスムなどの芸術運動も現代美術に含める考え方もあるようです。
平面、立体、素材、空間など、既成概念にとらわれない表現が特徴となっています。
要は、なんでもアリです。
広島の現代美術館
広島市南区の比治山公園内には『広島市現代美術館 Hiroshima MOCA』があります。
比治山公園は桜の名所としても有名なので、美術館には行ったことがなくても敷地内で過ごしたことがある方は多いのではないでしょうか。
広島市現代美術館は、なんと全国で初めて現代美術に本格的に取り組んだ公立美術館だそう。
建物は建築家の黒川紀章氏の設計で、建築好きな方にも人気のスポットです。
ちなみにMOCAとはMuseum of Contemporary Artの略称で、現代美術館の意です。
広島市現代美術館、長いのでこれからは親しみを込めてゲンビと呼ぶことにします。
実はゲンビは館内以外にも、敷地内にいろいろなアート作品を展示しています。
お花見の定番スポット、美術館前の広場に大きなモニュメントがあるのをご存じないでしょうか?
実はあれも、ゲンビが所蔵する作品のひとつで、ヘンリー・ムーアの『アーチ』です。
このように敷地内には、気軽に観て触れることのできる美術作品が点在しているんですよ。
お散歩をしながらアートに触れるのも贅沢な時間です。
個人的に、広島という土地は現代美術ととても相性が良いように思います。
ヒロシマには復興の歴史があり、そして平和を希求する心が根付いています。
現代美術は表現の幅が広く、その分メッセージ性の強い作品も多いです。このヒロシマで触れるからこそ感じられるものもあると思っています。
『無題さんアドベンチャー』
さてこのゲンビ、2020年12月から2023年3月まで改修工事のため休館していました。
この休館中のPRのために生まれたのが『無題さん』です。
※こちらは休館工事の時のPR動画で、現在はリニューアル工事が完了して開館しています。
広島市育ちの漫画家・イラストレーターの西島大介氏がデザインされたかわいらしいキャラクターです。
ゲンビを思わせる意匠が散りばめられていますね。
※展示情報は2020年当時のものです
そして先日、2024年2月17日にこの無題さんのゲームが公開されました!
タイトルは『無題さんアドベンチャー』
無題さんが現代美術作品を巡り、作品と対話をしていく短編ゲームです。
ゲームボーイを思わせるようなドット絵がかわいい!
難しい操作はなく、ストーリーに沿ってさくさくと進むことができます。
体感で15〜20分ほどでプレイできたように思います。
ゲンビに行ったことがある方なら、「おや、ここはあの辺の道かな?」と思いを馳せることもあるかもしれません。
実際の所蔵作品も出てきます。これは先程のヘンリー・ムーアの『アーチ』ですね!
ねこもいます。
ねこ、かわいいです。
アート作品を巡り、その作品と対話をしていくのですが、そのお話がとってもわかりやすいと感じました。
現代美術が好きな方は「あぁこんな作品あったな」と思い出されるかもしれません。
はじめて現代美術に触れる方は「こんなアートもあるのか!」と驚かれるかもしれません。
ゲームの中には主に8つの作品が出てきますが、どれも表現しているもの、表現方法が様々。
このゲームだけでも現代美術の幅広さに触れることができると思います。
まさに、現代美術の入門にピッタリなゲームです!
結局、現代美術の楽しみ方って?
既成概念にとらわれない、様々な方法で様々な情熱を表現する現代美術。
結局、どのように楽しめば良いのでしょうか。
答えは「それすらも自由」です。
作品を観て、美しいと感じるか面白いと感じるかつまらないと感じるか、観た人の自由。
「よくわからない」も立派な感想なんです。
私も「よくわからないけどなんか好き」もよくありますし、「本当によくわからない、なんだこれ」に出会うこともあります(笑)
現代美術は奥行きがある、と表現されることもあります。
現代美術の作品は決してアーティストの情熱がストレートに表現されたものではありません。
現代美術の父、マルセル・デュシャンは「アートは目で見て楽しむだけでなく考えさせるものである」といったことを言っていたそうです。
つまるところ現代美術は、観た人が「これは何だろう」と考えることで完成するものなのかもしれません。
そこで受け取った感想は、観たあなただけの特権です。
たとえ「よくわからなかった」としても、そのわからないを楽しめるのがステキだと思います。
……ちょっとだけ、現代美術が身近に感じられませんか?
ちなみに、『無題さんアドベンチャー』をプレイして現代美術面白いな、ちょっと興味が出てきたなという方には、ゲンビのnoteの『美術は静かに無題さんに語りかける』シリーズもオススメです。
休館中に連載されていたもののようで、ゲームに登場する作品についてもう少し詳しく、読みやすい漫画形式で書かれています。
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「無題さんアドベンチャー」公式サイト
https://game-creators.camp/works/xOn0mo84JV8UJvKxIuDi