買おうかどうか迷っている人のためのMeta Quest 3レビュー Quest2との比較編

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この記事には前知識を必要とするものが含まれています。
VRゴーグルやMeta Questシリーズについてあまり詳しくない方はまずは「概要編」をお読みください。

Quest2とQuest3をぶっちゃけて比較

※この記事は、混乱を防ぐためにQuest2Quest3を色分けしています。

まずは、Quest2Quest3をぶっちゃけ比較して行こうと思います。
なんでこの段階で旧モデルのQuest2を引き合いに出すかというと、ユーザーの中にはQuest2でも十分というかたもおられると思うのでその判断をしていただくためです。

Quest3の最大の特徴はフルカラーパススルー

Quest3の最大の特徴は「フルカラーパススルー」でゴーグル内で外の世界をフルカラーで見ることができるようになった点です。
Quest2でも外の世界を見ることはできていましたが、大変画質の低いモノクロ映像で大きな障害物があるかどうかの確認程度の使い方しかできませんでした。

Quest3越しに外の世界を見るとこんな感じです。
ゴーグルの外についたカメラの映像をゴーグル内のレンズで見ていることになりますが、ちょっと前のスマホのカメラくらいの画質にはなっています。

Quest2での様子も掲載したくてスクショしてみたのですが、Quest2って外の映像がスクショに反映されなくて真っ黒になっちゃうようです。
スクショが掲載できないのでQuest2のパススルー映像がどんな感じかを文章で表現すると、昔のブラウン管のモノクロモニターみたいな感じですね。
物の輪郭はなんとかわかるけど、細かい部分は見えないしチラつきや震え(?)もすごいという感じです。

Quest3はパススルー画質が超大幅に向上してカラーにもなったので、ゴーグルをつけたままある程度は生活できるようになりました。
しかし、ゴーグル越しにPCの画面をストレスなくみられるほどではなくて、スマホも最近の小さな説明文びっしり系のアプリだと読むのは困難です。

ゴーグル越しにmacのデスクトップを覗き込んだ時のスクショです。
遠いと文字が読めないし、近づくと映像が歪むのでそのまま読み取るのは困難です。

Quest3が発売された頃に「ゴーグル内でお料理動画を再生させて、ゴーグルの外を見ながら動画に従って料理する」というような使い方提案が話題になっていましたが、ぶっちゃけあれは無理ですね。
ゴーグル内に映される外の世界の映像は手元に近いほど激しく歪むので、ゴーグルをつけたまま包丁などは使えないし危なすぎます。
また、色味の情報も失われる部分があるので、例えば肉などを焼く時に焼けているかどうかを色で判断するには難しいです。

でも、それらが可能になる現実はすぐ隣にはいる感じです。
なので、Quest3では無理でも2024年以降に発売が予定されているApple Vision Proや次世代のQuestなら実現できる可能性はありますね。

私は、ゴーグルをつけたままアニメ動画を見ながらプラモデルを作るとかやってみたかったのですが、手元が歪むのでニッパーでパーツを綺麗に切るということは難しかったです。

こういう超未来的な使い方を期待しすぎるとがっかりするのでご注意を。

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人類の5%(?)を救う進化!瞳孔間距離を1ミリ単位で設定できる!

VRゴーグルは左右のレンズを瞳孔の正面に持ってこなければ映像がぼやけてしまうのですが、左右の目の離れ具合、すなわち瞳孔間距離(=IPD)は人の顔立ちによってそれぞれ違いますよね。
旧モデルのQuest2では多くの人(人類の95%と言われている)にマッチする位置として58mm、63mm、68mmの三段階が選べました。
ところが、この95%は日本人にはあまり当てはまらないのか、私の周りにたまたま95%以外の人が多いのか、瞳孔間距離が60mmとか65mmって人が多くて、そのような人たちは鮮明な画像を見ることができなかったのです。(ちなみに私は62mmでした)
レンズ位置を無理やり三段階の間に止めるという方法もなくはなかったのですが、1ミリ単位でしっかり正確に固定するのは無理でした。

Quest3だとダイヤルを回す方式で、58mmから68mmの間で1ミリづつ調整することが可能です。
ダイヤルを回すと現在何ミリに設定されているかがゴーグル内に表示されるので、ゴーグル内の映像を見ながらベストな見え方を調整することが可能になっています。
Quest2はゴーグルを外さないと設定できなかったので、見え方調整のために何度も何度もゴーグルをつけたり外したりしていました。
その煩わしさから解放されているのも大きな進化ですね。

この瞳孔間距離の関係でQuest2がまったく合わないと言っていたユーザーが周りのも2人いたのですが、Quest3だと快適に使えるようになっていました。
見え方でVRデビューを諦めていた人はQuest3ならデビュー可能かもしれません。

瞳孔間距離なんてわからないよという人が多いと思いますが、スマホで大まかに瞳孔間距離を測るアプリがあります。

↑私がiPhoneで使っているのはEyeMeasureというアプリです。

Quest2Quest3のどっちを購入しようか迷っている人は、こういうアプリで瞳孔間距離を測ってみてQuest2の3つの設定値外になるようだったらQuest3を選んだ方がいいかもしれません。

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重量は少し重くなったけどフィット感が良い!

Quest2が503gでQuest3は515gとのことで、Quest3の方がちょっと重いけど体感差はないレベルです。
本体が薄くなって持ちやすくなっているのでむしろ軽く感じます。

標準のヘッドバンドで装備するとどちらも同じくらい重心バランスが悪くて、重さで前に引っ張られていくように感じる点についてはどちらも大差ない不快さでした。
Quest3はヘッドバンドがY字になってクオリティがちょっとだけ上がっているので調整の幅はありそう。

プラスチック製のヘッドストラップに交換して装備した場合、Quest3の方が顔に当たる部分のフィット感がいい感じで安定感があるのはQuest3でした。

この辺りはお顔の形によりそれぞれ印象が変わるでしょうから、実店舗でデモ機などがあれば装備して確認するのがいいかもですね。

レンズがレベルアップ!

左がQuest2のレンズで右がQuest3のレンズです。
Quest2の方は螺旋状のグルグルが刻まれていましたが、Quest3の方は真っ平になっているのがポイント。
Quest2のグルグルレンズだと明るい画面を見る時にグルグルに沿って光が乱反射して没入感を損なっていました。
Quest3はそういうのがほぼなくなって、画質が鮮明のまま自分の目に届くというメリットが大きいです。

Quest2で起きていたぐるぐる乱反射は没入感を大きく損なっていたので、没入感の提供というVRゴーグルにとって重要な役割を果たすにはQuest3みたいなレンズの方が向いていますね。
あと、Quest3のタイプのレンズはレンズ自体を薄くできるそうで、ゴーグル本体がちょっと薄くなったのもこのおかげかも?

音質や画質は明確に向上、だけどゲームだけするならあまり関係ない?

Quest3は音質も画質も明らかに向上しており、ゴーグルを使って映画などを視聴する時はQuest3が向いています。
ただ、VRゲームやメタバースはそもそものグラフィックが簡素になっている関係もあり、極端な違いを感じにくいと思いました。
Quest2Quest3の両方を比べると明らかに違いを感じると思いますが、どちらかしか知らなければその音質や画質でも特に不満を感じないかもしれません。

VRゲームやメタバースでは音声通話しながら遊ぶこともありますが、この音質に関してはネットワークの品質や相手のマイクなどの発信環境も大変重要なので、こちらの再生環境が良くなっただけで通話の品質が上がるとも限りません。
なので、音声チャットの品質向上にはあまり大きな恩恵がないかもしれません。

ただ、繰り返しになりますが、映画等の試聴だとかなり違うのでそちらも目的としているならQuest3がおすすめです。

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VR酔いはQuest3で軽減される可能性がある?

VRを楽しむためにVR酔いの克服から始めなければならない人もいます。
使う時間を少しずつ伸ばしていって、ちょっとづつ慣れていくことで克服すると言われていますが、克服までの時間はQuest3の方が短くなるかもしれません。

というのも、VR酔いの原因に「映像のカクつき」や「処理の遅れによる映像と感覚のずれ」などもあるのですが、処理性能が向上しているQuest3ではこれらの発生頻度が少なくスムーズに動くようになっていました。
VR酔いを克服したと思っている自分が、たまにQuest2に戻ると酔っちゃうことがあるのでこの影響は結構大きいのかも?
VR酔いでゴーグルデビューを諦めた人も、Quest3なら利用できる可能性があります。

MRで遊ぶのは利用者の住環境を選ぶ

Quest3はVRだけではなく、現実の映像とCGを合成して遊ぶMRが得意なゴーグルとして話題になっています。
ゴーグルの使い方を学ぶチュートリアルでもMRゴーグルとしての実力が発揮されていますが、MRを存分に楽しむには広くてごちゃごちゃしていないスペースが必要です。
日本の住宅事情だと小さなワンルームに家具や趣味のものをたくさん置いて一人暮らししている人も多いと思うのですが、そのようなお部屋でMRを十分に堪能するのは難しそうです。
MRをお目当てに購入する方は、利用スペースの確保が必要で最低でもあまり物が置かれていない6畳くらいのスペースは必要だなという印象でした。
私の部屋も狭くてものがたくさんあってごちゃごちゃしているので、私はまだMRの楽しさや活用方法にまでは触れることができていません…

ハンドトラッキングの精度向上は感じられない

Questシリーズには操作のためのコントローラーが付いていますが、簡易的な操作であれば手のジェスチャー(ハンドトラッキング)でコントロールすることができます。
Quest2ではこの誤動作がけっこう多くてハンドトラッキング中心に使用するとストレスを感じるレベルでした。
Quest3ではハンドトラッキングの精度が上がっていると言われていたので期待していましたが、精度向上を実感するほどではなくQuest2と大差のない感じかなと思いました。

手のジェスチャーでコントロールするのはあくまで緊急用と割り切る方がいいかもです。

明確なデメリット、発熱がすごい!

ほぼ全ての面でQuest3が優っているのですが、使っていて致命的に感じるデメリットが発熱です。
Quest2よりも発熱が抑えられているという意見を見かけたことがありますが、私が使った限りは圧倒的にQuest3は熱くなります
Quest2も熱かったのかもしれませんが、Quest2は顔とゴーグルまでの距離が大きかった分、熱がこもりにくかったのかも?

Quest3の上部に排気口があるのですが、使っているとそこがぷしゅーって鳴り始めるレベルで、Pistol Whipのように激しく動くアプリをやっていると10分くらいで顔面サウナ状態で顔だけめちゃくちゃ汗をかいちゃいます。
冬場でこれだから夏場はQuest3で戦えるのだろうかと心配になります。(Quest3が発売されてまだ夏が来ていない)

リフレッシュレートを下げれば発熱が抑えられるらしいのですが、リフレッシュレートを下げても体感差が出るほどは発熱が下がってないように感じます。
あまり具体的な対策がなさそうで、先述のような「メンテナンスしやすいフェイスパッド」を購入してゴーグルが汗汚れしないようにするしかないかも?

スマホなどでは発熱問題がOSのアップデートで改善されるケースもあるので、これもソフトウェアアップデートなどで改善されたらいいのですが…

Quest3の唯一にして最大の問題がこの発熱問題です。

余談:ダイエットや運動不足解消にもいいのでは?

このお話はQuest2Quest3のどちらにも当てはまるのですが、VRゲームにはシンプルながらもしっかりと体を動かせるものが多くて、ダイエットや運動不足解消にもいいかもしれません。
私の一番のおすすめはPistol Whipという有料ゲームなのですが、弾除けアクションによるかなりの運動量と顔面サウナ(?)の組み合わせでダイエット効果もありそうです。
私は毎日20〜30分やってて1週間で1キロ体重が落ちて、もしやと思いながら3週間続けると3キロ落ちました。
汗だくになって下半身がクッタクタになるくらいの運動量なのですが、上半身は下半身ほどは動きません。

上半身の運動が物足りないなと思ったら同じく定番アプリBeat Saberと組み合わせたらバランスのいい運動になるかもです。

そして、そもそもこの二つはゲーム自体が大変面白いので無理なく続けられます。
気になる方向けに25%オフリンクも一緒に貼っておきますね!

Pistol Whip

弾を避けながらターゲットを撃つシンプルなシューティングゲーム。
リズムに合わせて撃った方がいいらしいけど、そんなの気にせずガンガン撃てる爽快感がある。
スクワットや弾よけで立てなくなるくらい下半身を使うことになる。

このリンクから買うと25%

Beat Saber

ビームサーベルを両手に持ってリズムに合わせて飛んでくるキューブを切る音ゲーです。
キューブを切る方向が指定されているので、自然とオタ芸的な動きになるのが面白いです。
こちらも爽快感があって、下半身は動かしませんが上半身はとても良い運動になる。

このリンクから買うと25%オフ

なお、このアプリは両方ともQuest2でもストレスなくプレイできる物なので、このアプリだけが目的であればQuest2でも十分です。

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Quest2とQuest3どっちがおすすめ?

価格差を気にしない人と、VRゲーム以外にもゴーグルをいろんなことに使ってみたいという人はQuest3がお勧めです。
私はパソコンの画面をQuest3の中に写してバーチャル大画面で作業するということもやってますが、Quest2だとこれは実用の一歩手前という感じで、Quest3でようやく実用的なレベルになったと感じました。

私はパソコンで作曲することもあるのですが、最近の作曲環境はこんな感じ。

パソコンに楽器を繋いで、パソコンで動かしている作曲ソフトをQuest3に映し出して操作しています。
Quest2だと外の世界がほぼ見えないのでこういう使い方が難しかったのですが、Quest3になるとはっきりと外の世界が見えるので、手元や足元をみながら大画面で録音編集できるのがとても楽なんです。ゴーグルの没入感で集中力が上がって効率よく作業もできるのです。
私はゲーム用途にしか使っていないうちはQuest2で十分だったのですが、こういうPCとの連携もやりたくてQuest3に買い替えました。

あとはMR(現実の映像とCGを組み合わせて遊ぶ系のアプリ)を楽しみたい人もQuest3を選ぶ必要がありますね。
Quest2はMRには非対応です。

価格面以外で気になるデメリットとしては発熱の問題ですね。
これはOSアップデートなどで改善されることを期待するほかありません。

一方でVRゲームやメタバースをちょっと楽しむだけという人や、VRゴーグル自体が必要かどうかわからないからあまりお金をかけずにお試しで使ってから判断したいという人はQuest2でいいかもしれません。
画質や音質において劣る部分もありますが、Quest2でも多くのゲームは同様に動かすことができるので体験の入り口としてはとてもコスパがいいです。
Quest2だと多少カクカクしちゃうことがありますが、ゲームの進行に致命的なレベルのカクつきは経験していません。

ご紹介しました通り、Quest2のデメリットで瞳孔間距離が三段階しか設定できません。
三段階の中に見えやすい位置がある人には問題ないですが、これで鮮明に見えないという人はQuest3を選ぶことになりそうです。

Quest2はVRゲーム(メタバース)専用ゴーグル、Quest3はVR・MRを中心にその他用途の可能性も高いゴーグルという感じです。
大画面での動画や映画鑑賞を目的とした場合、Quest3の方が画質も音質も向上していますのでご予算が許せばQuest3をお勧めします!
Quest2を買ってしまってQuest2ではできないことに出逢っちゃうと悔しいので、予算が許す人は最初からQuest3を買った方がいいですね!

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中古ってどうなの?

Quest3が発売されて1ヶ月くらいのうちは品薄が続いていたので、急いでいる人にとってはほぼ定価で売られている中古も選択肢の一つになっていました。
しかし今は供給も安定化しており、中古品でも定価とさほど変わらないため価格面でのメリットもほぼありませんので、いまのような状態で中古を買うのは得策ではないかもしれません。
先述の顔パッドの素材的にも中古品は衛生面が心配ですしね。
フリマサイトなどでたまに「購入してちょっと使ったけど自分には合わなかった」みたいな感じで定価の1割くらい安い物があるので、多少のリスクは覚悟で少しでも安く買いたいという人はそういうのもナシではないかも?

Quest2に関しては発売されて期間が経っているので中古市場では様々な状態のものが出回っています。
激しく使われて見えないダメージが蓄積されているものが多いのかなとも思うので、お試しならともかく長く使うつもりのものは買いにくいですね。
フリマサイト等では2.7万円付近に落ち着いている感じがあるので、使い捨て感覚で汚れててもいいから超お試しで使ってみたいという人はQuest2の中古はアリかもです。
ただ、Quest2は公式の値引きセールなども多く新品でも3.7万円くらいになっているので、もう一万円出したら新品で保証も付くと考えると新品の方がいいかな?

個人的には激安のものをたまたま見つけた以外では中古のものをお勧めしませんが、リスク許容度と経済事情によっては中古品を選ぶのもありかも?

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まとめ

VRゴーグルってとても面白いアイテムだと思うのですが、Quest2からはどうしても発展途上感が滲み出ていました。
それがQuest3になって「現時点ではこれが完成系」みたいなところに達したと思います。
この先のVRやMRがQuest3を基準としていくことは間違いなさそうです。
発熱の問題だけがクリアされれば2023年時点では圧倒的究極のVRゴーグルと呼べそうです。

VRやMRはまだまだ発展中の分野ではありますが、軽量化されてバッテリーの問題(現状2時間くらいしか持ちません)が改善されたらスマホと同じ感覚で身につけての外出が当たり前の世の中も来ると思っています。
Meta Questの次世代期では視力調整の機能がつくとも噂されており、高画質なフルカラーパススルーと組み合わせてメガネ代わりとしても使われる時代も来るかもしれません。

そんな時代に先に片足乗っかるという意味でもVRゴーグルに手を出してみるのもいいかもですね!

ちなみに、ストレージ容量は128GBと512GBがありますが、「リリースされてるゲームを全部やりたい!」みたいな感じでなければ128GBで十分かなという気もします。

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コメント

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