こんにちは! 皆さまいかがお過ごしでしょうか。
お盆でおいしいものを食べ過ぎたため、絶賛ダイエット中のこいけです。
今回は先日の記事の続き。いよいよ曲作りの中核をなす作詞・作曲に迫っていきたいと思います!
前回の記事(きっかけ・準備編)はこちら。
まずは作詞のお勉強
前回、「詞先で作ろう!」と意気込んだはよいものの、いざパソコンの画面を前にすると手が止まりました。
どこから書き始めたらいいの……?
小説であれば、プロットと呼ばれる構成を作ります。これはストーリーの屋台骨みたいなもの。
どんな世界のお話で、どんなキャラクターがいるのか、どういう試練を乗り越えるのか……といったことを書き出し、順番に並べて、台本もどきを作っていくのです。
しかし今回は歌詞である!
何か参考になるものはないか……といくつか曲を流してみるも、ジャンルや世代、アーティストによって方向性はバラバラ、なんなら「アー」しか歌詞がないことさえある。じ、自由〜!
困ったので、少し作詞のお勉強をすることにしました。
本屋で『ゼロからの作詞入門~プロ直伝の考え方とテクニック~』という本をゲットしてきました!
「ゼロから教えてもらえる」という点に惹かれました。今の私にピッタリ!
知識がなくても読み進められて、何となく「こういうことを考えたらよいのだな」という道筋が見えました!私のように取っ掛かり方が分からない人にはオススメの1冊です。
リンク先のサンプルにも書かれていますが、この本では登場人物やシチュエーションを設定して書く方法を教えてくれています。
これなら小説の作り方が応用できる! さっきのプロット作りが生かせそう!
作詞は文字数との戦い
歌なので、「誰に向ける歌か?」という視点も大事。
実は、初めて作る曲は「親」に向けた曲にしようと決めていました。
よし、じゃあ子どもから親への感謝ソングにしよう! テーマは決まり!
テーマに沿ってキャラクターを考えてみます。
「感謝ソング」といって私が思い浮かべたのは、Kiroroの『未来へ』、綾香の『ありがとうの輪』、山口百恵の『秋桜』……など、母親に向けた歌ばかりでした。
中には父親向けもあったのだけど、「サンキュー親父!」的な、男性目線の歌が多いイメージが強い。娘からの歌ってあまり思い浮かばないな?
→じゃあ娘から父親に向けた歌にしよう! ということで登場人物も決まり!
いい感じです。
どんなシーンを作ろうかな。親への感謝を感じるのはきっと大人になってからでしょう。じゃあメインシーンは大人になった後かな?
一生を追ったドキュメンタリー風にして、1番は昔の思い出、2番は大人になってからの話にするのはどうだろう?
よし、歌の流れに沿って、父娘の間で起こりそうなエピソードをモリモリ盛り込んでみよう!
ひとまず完成した歌詞(1番)がこちら。
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いつかお前に 好きな人ができたなら
泣くかもしれないねって 言うから
結婚したい人 並べ上げただけだったのに
父さんなんで 笑っていたの
小遣い貯めて コンタクトを 着けてみたあの日
眼鏡じゃダメなのかって 聞かれて
答えられなくて 答えたくなくて 2階に逃げた
父さんどんな 顔していたの
私をまだ知らないあなた 十何年ともにいたのに
いつまでも子どもと 思ってたでしょう
親不孝じゃなかったかと思うのは
バージンロードに点々と あなたの涙が落ちるから
あったかい手に 刻まれたしわ 離れても忘れない
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さて、曲を聴いてくださった方は既にご存じかもしれません。
この歌詞、ここから平歌部分(最初~サビ前までの部分)がゴリゴリ削られます。
最終的にはこうなります↓
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私にいつか好きな人ができたとしても
泣いたりするはずないなんて笑って流していたくせに いざ
私が努力を始めた途端に小言の嵐
顔を合わせたらいつだってケンカばかりしていたね
私をまだ知らないあなた 十何年ともにいたのに
いつまでも子どもと 思ってたでしょう
親不孝じゃなかったかと思うのは
バージンロードに点々と あなたの涙落ちるから
あったかい手に 刻まれたしわ 離れても忘れない
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結構変わりました。何でこうなったのかは、作曲のほうで追い追い……。
作詞中、特に気を付けたポイントは、文字数です。
人の曲を聴いていて気付いたのだけど、実は歌詞の文字数って案外少ない!
カラオケの画面に出る文字を想像してみてください。画面を埋め尽くすほど歌詞がずらずら並んでることってあまりないですよね……?
文字数の感覚は曲調によっても異なります。
個人的には、ヒップホップ、電波ソングなどのアップテンポな曲は文字をギュウギュウにしているイメージ。
反対に、童謡、歌謡曲などのスローテンポな曲は1文字1文字がゆったりと流れるイメージ。
歌詞のしんみりした雰囲気から、今回はゆったりめの曲調が合うと思ったので、文字数はなるべく少なめにするように心がけました。
また、1フレーズの文字数は大体同じぐらいにするように心掛けました!
これはメロディーのつけやすさを意識したもので、「極端に長い」「極端に短い」といった部分を生まないための予防です。
いざ歌詞に音を付けたときに「長すぎて息継ぎする場所がない!」となったら私の息が持たないので……!
あとは、一つの言葉に多くの情報を詰め込むことも意識していました。例えば、
①「僕は家の横にある郵便受けを窓から見た。僕は彼女と手紙のやりとりをしていて、返事が届くのを楽しみにしているからだ。でも最近は一向に手紙が返ってくる様子がない」
②「窓から見える郵便受け。今日も彼女の返事は来ない」
①②はほぼ同じ情報が詰められていますが、下のほうが圧倒的に短いですよね!
皆が知っている情報や同じ意味を持つ言葉は、省いたほうがすっきりまとまります。
読み手に想像してもらうのもポイントで、「今日も返事が来ない」とあれば「手紙のやりとりをしていたんだろうな」「ずっと返事を待っているんだろうな」という情報を導き出してもらえます。
歌詞の場合は特に使える文字数が少ないので、なるべくコンパクトになれ~!と念じながら書きました。
作曲!メロディーはコロコロ変わる
「GarageBand」には、鍵盤を押さえて入力する機能があります(前回の記事参照)。
これを使って、まずはメロディーラインを作っていきます。
先に詞ができたので、実はここはそんなに難しくなかった!
鼻歌を歌う感じで、歌詞に合わせてテキトーにメロディーをつけるだけ。
なるべく音を隣り合わせにすることだけ気をつけていました。あまりに上下へ飛び飛びの音にすると聞きにくくなるし、何より難しすぎて私が歌えなくなります。
私の場合、あまり難しく考えすぎずに音を置いてみて、気になったらちょこちょこ修正するのが向いていました。
というのも、気合を入れてメロディーを作ってもすぐに変わるからです。作詞でお見せしたように、平歌部分はビフォーアフターでガラリと変わってしまいました。サビ以外のメロディーはほぼ別物です。
……そもそもなぜこんなに詞が変わったかというと、ずばり「歌が長かったから」です。
ボイトレの先生にアドバイスをもらったところ、「サビまでが長い」とのことでした。
お好きなバラードを1曲思い浮かべてみてください。真っ先に思い出すのはサビではないでしょうか?
サビは曲のメイン。映画でいうとクライマックスのシーンです。基本的には、ここに一番伝えたいメッセージを持ってきます。
それに対し、平歌はオープニングやセットアップです。物語の土台であり、しっかり固めてあげることがおいしい仕上がりにつながります。
私のビフォーの歌はサビの比率が少なく、これでは聞いた人が飽きてしまうとのこと。
そこで、平歌は半分にカット。エピソードを省き、聞く人が自由に受け取れるように意味をぼかしながらまとめました!
曲作りのハードルは下げてナンボ
ここからが問題です! 楽器を使って伴奏を作っていくのですが、さすがにちょっとお勉強が必要でした。
まずは自分が作りたい音楽のジャンルに大体どんな楽器が出てくるのかを知っておくと便利です。私はバンドの楽器構成をインターネットで調べました。
バラードでは、「ピアノ」「ストリングス」「シンセサイザー」「ギター」「ベース」「ドラム」辺りが引っかかってきました。
それぞれの楽器がどういう役割をしているのか(メロディ、ハーモニー、リズムなど)を知ると、ぐんと作りやすくなります。
ところが、一つ問題が。
触ったことのない楽器の音の使い方がぜーんぜん分からない!
でも、今回は「まずは1曲仕上げること」が目標です。
そこで、思い切って分からない楽器を省くことにしました。形になればOK、勉強の幅が広いところは未来の私がいつか頑張る!
ギターとベースをどちらも省いてしまうとさすがにスカスカになってしまうので、イメージのしやすかったベースを残し、ギターパートはナシにしました。
ストリングスやシンセサイザーも味付け程度に入れればいいことにしました。これで、メインはピアノ、ベース、ドラムの3本です。
さらに、ここで力強い味方となったのが「GarageBand」の「Drummer」という機能。
なんと、仮想ドラマー(AI)が音楽に合わせて適当にドラムを打ち込んでくれるすごい機能があるのです!
しかもドラマーは何種類か用意されており、演奏スタイルも豊富!
私は「シンプルで上品なポップビートを刻みます」というDarcyさんに全部お願いしました。よろしくね、Darcyさん。
これで、実質ピアノとベースさえ作ればOK。
ここまで絞れば……何とかなる! 多分!
コードを知ると世界が広がる
もう一つ、お勉強したのは「コード」です。
コードとは、和音のこと。「ドミソを同時に鳴らす」→「Cコード」のように、和音の響きをアルファベットや数字で表す方法です。
楽譜を見たことがある方であれば、五線譜の上に「Cm」や「G7」と書かれているのを目にしたことがあるかもしれません。
コードには「次にこんなコードに行きたがる」という習性のようなものがあって、このコードの進行を勉強することが作曲にすごく役立ちます。
動画サイトには分かりやすい解説がたくさんあるので、覗いてみるとよいかも!
しかもコード進行には、王道パターンのようなものがいくつかあります。
「これらを組み合わせればおいしくなるよね」という必勝レシピのようなものですね!
今回はある程度「コード進行ってこんな感じか~」というのをつかんだら、王道パターンも取り入れつつピアノとベースでコード進行に沿って音を作っていきました。シンプルイズベスト。
多分、コード進行を完璧にマスターすればもっと自由に音を選べるのだと思います!
まとめると、
・楽器はピアノとベースだけ頑張る
・その2つにコード進行をさせる
この二つで8割ぐらい乗り切れました。
あとはいろんな人にアドバイスをもらったりしてちまちま修正し、なんとか曲らしい形に仕上げることができました! やったー!
掛かった時間は大体1カ月くらい。
いろいろ迷ったり悩んだりしつつも、手探りで「こうすれば行けそう!」を見つけるのは楽しかったです。
それに、世の中で流れている曲たちがいかにスゴイのかひしひしと感じられるようになりました。
もうちっとだけ続くんじゃ
曲もできたし、後は公開するだけ!
……と思うじゃないですか。いえ、少なくとも私はそう思っていました。
ここからさらに登るべき山があるのです。例えば、
・歌のレコーディング
・ミキシング・マスタリング
・歌に合わせた動画作成・編集
などなど。道のりは遠い~~~!
でも大丈夫。何も全部手ずから作っていく必要はありません! ここから私は文明の利器に頼ったり、外部の力をお借りしたりして動画を完成させています。
次回は、どうやって完成に漕ぎつけていったのか、まとめて紹介したいと思います!