PERSONZが、5年ぶりに広島にやってきた…
80年代、日本では空前のバンドブームにより数々の印象的なアーティスト、ロックバンドが登場しました。その中でも、ひときわ異彩を放ち今なお多くのファンより支持を集めるPERSONZは、絶対的な実力と個性を誇るボーカリスト・Jillを中心に、本田毅(Guitar)、渡邉貢(Bass)、藤田勉(Drums)の4人からなるロックバンド。
不動のオリジナルメンバーで、今年結成より40周年を迎えた彼らは、約9年ぶりのフル・アルバム『40th FLOWERS』を2024年6月にリリース、このアルバムとともに40周年記念ツアーを実施しており、2019年の広島でのライブより実に5年ぶり、七夕を明日に迎えたこの日に広島のファンたちが待ちわびた再会を果たしました。
長きにわたる活動を経てなおも進化を続ける彼らは、この日も夢のように素敵な時間を演出しその健在ぶりを遺憾なく発揮しました。今回はこの熱いライブの模様をレポートします!
※画像は2024年7月21日(日)に東京・Zepp Hanedaにて行われたライブのものです。
「ただいま!」「おかえり!」5年ぶりの再会にあふれる笑顔
梅雨の中休み、蒸し暑さで満たされたこの日の夕方。開場の時間を過ぎるとホールの中には、程なくファンでいっぱいとなり、ステージのスタートを待つ中、その期待で場内の熱気を徐々に立ち昇らせていました。
定刻を少し過ぎた頃に場内の照明がふっと消えると、客席からは大きな歓声と拍手が。やがて荘厳なストリングスのハーモニーが鳴り響く中、ステージにはいくつかのピンスポットが灯されます。その光はいつしか虹色へと変化し、観衆の期待をさらにあおっていきます。
そして大きな歓声の中、現れた藤田、本田、渡邉の三人。ファンとの対面の挨拶を終えるといよいよJillがステージに登場。華やかな王冠を装った彼女の姿にさらなる拍手と歓声が寄せられ、ステージは開始の時を迎えます。
オープニングナンバーは、今年1月にリリースされた「FLOWER OF LOVE」。渡邉と藤田が作り出す安定感のあるどっしりしたリズムは、観衆の手拍子と合わさりさらに分厚いリズムを作り上げていきます。そして曲に鮮やかな色彩感を与える本田のギターでバンドのサウンドは完成し、唯一無二の世界観をもつJillのボーカルに奥行きを与えていきます。
また観衆が拍子を入れるその手は、まるで花が咲いていくさまのよう。「ただいま!5年ぶりに帰ってきました!」コロナ禍などの影響で永い別れとなっていた広島のファンたちにJillは第一声を響かせ、観衆は「おかえり!」と再会の喜びを大きな声で表します。
40年の軌跡をたどりながら「今でこそできた」ものを魅せる
序盤は続いて「7 COLORS-Over The Rainbow-」より、PERSONZらしいポジティブなメッセージを称えたナンバーをくわえたあとに、本田、渡邉、藤田それぞれのソロ回し、そして「oh happy days」という短いフレーズによるJillと観衆との掛け合いより「BE HAPPY」へ、さらに彼らの40年を文字通り凝縮した「PERSONZ 40THメドレー」と続きます。
曲を追うごとに力強く腕を振り上げ、拍手の音を大きくし、さらに曲のサビではJillとの掛け合いを楽しむ観衆。力強く腕を振るうそのさまは、壮観でもあります。
中盤を迎え、ここでは「着席タイム」へ。2018年に広島で発生した西日本豪雨災害発生の時期にも重なるこの日でありましたが、突然に迎える親しき人との別れの喪失感を乗り越えるのは「その人と触れ合った時間が確かにあった」という事実であり、そのことを忘れないという意味で「DEAR YOU」という曲が出来上がったことを明かし、その前向きなメッセージを会場に響かせます。
そしてバラード「SING ALONG FOREVER ~そばにいるよ~」へ。「今夜はずっと」という詞を、曲に合わせて歌う観衆。そのフレーズが繰り返されるたびに、PERSONZと客席の距離は近さを増していくさまが見えるようでもあります。
「今の自分が一番」「まだまだいける」さらなる躍進を宣誓
ステージは後半に突入、「Magic Moment」「DREAMERS」と往年のパワーナンバーに続き、客席前方にいた親子連れの、子供の来場をまさに「FUTURE STAR」と称え声を響かせるJill。会場は盛り上がりの一途をたどっていきます。
客席の観衆はもはやPERSONZの演奏を聴いているというよりは、我を忘れてPERSONZの音に身をゆだねているような状態。大きく体を揺らし、大きく腕を振り上げ、ドラムの音をかき消さんとばかりに大きな手拍子を入れてPERSONZが生み出すグルーヴ感をさらに大きなものにしていきます。
そんな観衆に答えるように藤田、本田、渡邉のプレーもグルーヴをさらに増していきます。ときにステージを動き回り、コーラスではJillの紡ぎ出すメロディーに厚みをくわえる。安定したプレーと説得力のあるサウンドは、長きにわたりバンド活動を共にし、経験を積み上げていった彼らならではといえるでしょう。
そして迎えたクライマックス。Jillは力強く会場の人々に語り掛けます。「わたしたちは今日(の自分)が一番だと思っています!昨日でも明日でもない、今が一番です。そして最新のPERSONZを目にしているあなたたちも、今が一番です!」
その言葉に、人々は明日を生き抜く新たなエネルギーを注がれていきます。大きな手拍子が鳴り響く中、最後に奏でられたのは「I AM THE BEST」。頭上に伸ばした両腕で拍手をするさまは、冒頭で見られた客席に咲く「花」が、さらに大きく咲き広がっている様子を見ているようでもあります。
アンコールでは、結成40周年を迎えた自分たちに「Happy Birthday」を贈るPERSONZ。その長い軌跡の中で、ときに傷つきながらも多くのことを学び成長し続けたどり着いた今を振り返るJillは「わたしたち、まだまだいけそうです!」とさらなる躍進への思いを告げ、広島の「友人」たちへの思いをラストナンバー「DEAR FRIENDS」に込めて、ステージを締めくくりました。
割れんばかりの歓声と拍手に包まれ、広島のファンたちとの再会を誓いステージを降りたPERSONZ。
40年という時の中で積み上げた彼らの力は、単なる演奏や表現の技術ではなく、彼らがバンドとして産声を上げた東京から遠く離れた広島という場所にいる人たちと、歌を通して心の距離を縮めた、その「人とつながる力」ではないでしょうか。
力強くも、温かい空気が漂うこの日のステージはそのことを如実に示していたようでもあり、このツアーの先にある新たな歩みにも、目が離せない彼らでありました!
『40th FLOWERS PERSONZ 40th Anniversary Tour 2024』
日時:2024年7月6日 17:30~
場所:【広島】JSMアステールプラザ 中ホール
セットリスト
- FLOWER OF LOVE
- 7COLORS(Over The Rainbow)
- sayonaraは言わない
- EVERY DAY IS A NEW DAY
- ~SOLO~oh happy days~BE HAPPY
- PERSONZ 40THメドレー
- DEAR YOU
- SING ALONG FOREVER ~そばにいるよ~
- Magic Moment
- DREAMERS
- FUTURE STAR
- I AM THE BEST
ENCOLE
- MIGHTY BOYS-MIGHTY GIRLS
- TOKIO’S GLORIOUS
2nd ENCOLE
- Singin’ In The Rain
- DEAR FRIENDS
LIVE Information
三味線JILL屋 秋の陣
2024年9月22日(日)
高山公演 1日目 1部
谷口裕和飛騨高山舞踏稽古場
開場:13:30 / 開演:14:00
高山公演 1日目 2部
谷口裕和飛騨高山舞踏稽古場
開場:17:30 / 開演:18:00
入場料:5,000円
2024年9月23日(月)
高山公演 2日目
谷口裕和飛騨高山舞踏稽古場
開場:13:30 / 開演:14:00
PERSONZ 40th FLOWERS at Billboard Live 2024
2024年9月27日(金)
ビルボードライブ横浜 1stステージ
会場:【神奈川】ビルボードライブ横浜
開場16:30 開演17:30
ビルボードライブ横浜 2ndステージ
会場:【神奈川】ビルボードライブ横浜
開場19:30 開演20:30
2024年10月3日(木)
ビルボードライブ大阪 1stステージ
会場:【大阪】ビルボードライブ大阪
開場16:30 開演17:30
ビルボードライブ大阪 2ndステージ
会場:【大阪】ビルボードライブ大阪
ビルボードライブ大阪
開場16:30 開演17:30