みなさまごきげんよう、そら嬢です。
毎月、clusterにて開催している朗読会のまとめです。
今回は第七夜から第十夜までをまとめました。
第七夜(11/28)

知慧あいり様のワールド、MOMIJI~秋を愉しむ~をお借りしました。
鮮やかな紅葉やステンドグラスのような意匠がとっても美しいワールドです。
お客様からも「綺麗!」というコメントをたくさんいただき、またお客様からもワールド内の写真映えスポットを教えていただいて、終演後に写真を撮りに行きました✨
新見南吉『狐』
この日は新見南吉さんの『狐』という作品を読ませていただきました。
本当は春のお話なのですが、お話の雰囲気や「狐」のモチーフが今の時期に合うなと思ってこちらを選びました。
新見南吉さんと言えば『ごんぎつね』や『手袋を買いに』が有名です。
きっと誰もが一度は触れたことがあるのではないかと思います。
『ごんぎつね』も『手袋を買いに』も狐が主人公のお話ですが、今回の『狐』は人間のお話です。
田舎の子どもたちが「夜に新しい下駄をおろすと狐に憑かれる」という迷信によって揺り動かされる様子や、下駄をおろした文六ちゃんがお母さんに「本当に狐になってしまったらどうする」と尋ねる様子が描かれています。
そら嬢は前半と後半で、それぞれ主題が違うように感じています。
前半は、子どもたちが「文六ちゃんが狐に憑かれているかもしれない」という不安から、文六ちゃんをひとりのけ者にしてしまうような集団心理が描かれています。
のけ者にされてしまう側って、意外とちゃんと気づいているんですよね。そんな悔しさや不甲斐なさを感じて、読んでいてすこしつらいところもありました。
そしてもしわたしが文六ちゃんのまわりの子どもだったとしたら。みんながわざと触れないようにしている中で、自ら名乗り上げて文六ちゃんに手を差し伸べることはできただろうか…。
どちらのつらさも不安も、自分でも感じたことのある感情で、なんだか自分に問いかけているような気分で朗読をしていました。
後半は文六ちゃんとお母さんの会話を中心に描かれています。
文六ちゃんは帰った後に、「夜に下駄をおろすと狐に憑かれるって本当?」とお母さんに尋ね、お母さんは文六ちゃんになにがあったのかを悟るのでした。
そして、文六ちゃんが狐になってしまったら、お母さんもお父さんも狐になりますよ。一緒に山へ行きましょう。猟師に追われたら、母が足をひきずって捕まるから、文六ちゃんはお父さんと逃げなさいね。
このようなことを、お母さんがからかい交じりに文六ちゃんに話して、お母さんがいなくなっちゃうじゃないか!と文六ちゃんが大泣きして、それを見たお母さんもすこし涙を拭って…
…というところでお話は終わります。読み終わった後、「これで終わりなの!?びっくりした!」というコメントもいただいたのですが、たしかにまだ先が続きそうな…たとえば、「お母さんは文六ちゃんが何よりもいちばん大事なんだよ。いつでもいちばんに思っているよ」とお母さんが言って、文六ちゃんはその日の狐の不安も乗り越えて、おやすみなさい…みたいな、わかりやすいエンディングにだってできそうなものです。
でも、そうはせずに文六ちゃんが泣いたところでお話が終わることで、作中ではっきりとは描かれていないお母さんの愛情をより濃く感じることができたり、子ども特有の、瞬間、はじけるような感情を表現することができたり…するのかなぁ、と思いました。
お母さんも今日の文六ちゃんについて思うところがいろいろあったと思います。不甲斐なさとか、悲しさとか、愛しさとか、そんな気持ちがお母さんの涙にも表れているのではないでしょうか…
正直、朗読として聞くにはあまり面白くないお話だったかもしれません。
でもそら嬢は『狐』を読んで、こうして長々と書いてしまうほどには、いろんな思いが湧き上がってきたので今回読ませていただきました。
なんだか深堀すると国語の授業みたいになっちゃうなぁと思って、お客様にもあまり感想をお聞きしなかったので、よかったら今からでも感想を教えてください笑
この日の朗読は動画にしてYouTubeへアップしました。
よかったらご覧いただけると嬉しいです。
(動画をアップするために聞き直していたらいっぱい読み間違えていてびっくりしました…大変申し訳ありません…でもそのまま載せちゃいます…)
▶『狐』新見南吉(青空文庫より)
https://www.aozora.gr.jp/cards/000121/files/632_14896.html
第八夜(12/26)
この日はteniteni様の「TY 冬のくつろぎ空間」をお借りしました。
真っ白な木立と降り積もる雪がとっても綺麗なワールドです。

そして雪の中にとってもかわいいキャンプサイトがあります。
横には焚火もありました。
お客様にはこちら側で、温まりながら朗読を聞いていただきました。

BGMがないワールドだったので、お客様と感想を話したり雑談をしている時はちょっとそわそわしましたが、物語の雰囲気ともとっても合っていてお客様にも好評でした✨
新見南吉『手袋を買いに』
前回、新見南吉さんの作品を読ませていただいたときにお客様と「『手袋を買いに』も良いですね~」とお話をしていました。
読むなら12月がベストだな!と思い12月の題材に選びました。
きっと小さいころに読んだことがある方も多いと思います。
きつねが主人公の、かわいらしくてあたたかい物語。
わたしも幼いころに何度も読んできましたし、何回も読み聞かせもしてもらいました。
お客さまにもほっこりとした気分になっていただけたらいいなぁと思いながら読ませていただきました。
…このお話、実はそら嬢にとってちょっとしたチャレンジがありました。
作中に子守歌がでてくるのです。皆さんよく知っている「ねむれ ねむれ」という定番のあれです。
ここをどうやって読もうか、普通に読み上げていいものか、ちゃんと子守歌として歌ったほうがいいのか…悩みながら、YouTubeで朗読されている方の動画をいくつか見て見たところ、みなさんしっかりと歌っていらっしゃいまして…
………歌うかぁ
と、腹を決めたのでした。
当日はこの子守歌パートが近づくにつれ、ものすごく緊張してきて、たぶん声が震えていたと思います…笑
それでもお客さまはあたたかく聞いてくださって、想像以上の声援をいただいてしまいました。
こんな一節歌うだけでもすごく緊張するのに、普段ライブやってる方は本当にすごいなぁと尊敬です。
▶『手袋を買いに』新見南吉(青空文庫より)
https://www.aozora.gr.jp/cards/000121/files/637_13341.html
第九夜(1/30)
ワールドはmaisuke.tgz様の厳冬の洋館Ⅱをお借りしました。
とっても美しい洋館の中に、開けたホールがあります。

実はこのホールに入るには、洋館内にある鍵を見つけないといけません。
もちろんお客さまが入られる時間にはばっちりホールのドアを開けてお迎えしたのですが、この、「ドアを開けるのにひと手間必要」な感じも、今回読んだお話とぴったりだなと思ってこのワールドを選びました。
また、ホールの中は声が響くような感じの音響になっていて、いつもと違って新鮮でした。
これも、今回のお話にはよく合っていたのではないかなと思います。
ホールをぐるっと囲むように2階にも廊下があり、皆さま思い思いの場所で聴いてくださっていました。

宮沢賢治『注文の多い料理店』
いつか絶対読みたいとあたためていた(笑)お話です。
これも誰もが一度は触れたことがある名作ですよね。
小学校の教科書に載っていたりするんでしたっけ。
何回も読んでいるはずなのに細かい展開は意外と覚えていなかったりして、新鮮な気持ちで練習していました。
お客さまからも「このシーン忘れてた!」や「最後ってこうだったのか」とコメントでいただいて、慣れ親しんだお話も新鮮に楽しんでいただけたようです。
今回の課題は「読み分け」でした。
『注文の多い料理店』、意外と登場人物&登場動物が多いんですよ。
紳士二人、案内人、犬、山猫軒の注文、下っ端猫ちゃんたち、山猫…
特に紳士二人の会話が多く、そら嬢の喉からは男性の声は出ないのでどうやって二人を読み分けようかと苦戦したところでした。
ほかにも、山猫軒のドアに書いてある注文はちょっと無機質に読みたいなぁとか、下っ端猫ちゃんは小物感をだしたいなぁとか、キャラクター性を考えながら少しずつ声色やテンションを変えられるように頑張りました。
下っ端猫ちゃんたちは読んでいてとっても楽しかったですね!
お客さまからは、まさかの猫の鳴き声が好評でした。にゃあぁお!!
▶『注文の多い料理店』宮沢賢治(青空文庫より)
https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/43754_17659.html
第十夜(2/27)
うっすらと春の気配が見え始めた今日この頃。
最後に冬の雰囲気を感じたくて 暖炉のあるラウンジ をお借りしました。

こじんまりとしたワールドで、ちょっと狭いかな…?と心配していたのですが、来てくださったお客様のお顔がよく見えて、そら嬢目線ではとっても良かったです。
お客様が並んでソファーに座っている様子も、眺めていてほっこりしました。
そして、この日は初めてアンケート機能にチャレンジ!
というのも、当日まで読むものを悩んでいたのです。結局ひとりでは決め切らなくて、お客様にアンケートで選んでいただきました。
その場で読むものが決まるというのもなかなか面白いな、と思ったので、今後もたまに使ってみようと思います♪
村山壽子『三匹の小熊さん』『泣き虫の小ぐまさん』『小ぐまさんのかんがへちがひ』
アンケートの結果、村山壽子の可愛い短編を3本読むことになりました。

今回悩んでいたのは、この3作品と、宮沢賢治の『猫の事務所』です。
2月は猫の日があるので、最初は『猫の事務所』を読もうと思っていました。でも練習をしているうちに、もしかしたら聞いているうちに心が苦しくなってしまう方がいるかもしれない…という不安が過ったのです。
『猫の事務所』は私にとってはとっても印象的で大切な、大好きな作品なのですが、自信をもってハッピーエンドとはいえない、人によっていろいろな捉え方ができそうなお話です。
読みたいけど、誰にも傷ついてほしくないな…と思いました。
対して今回読んだ村山壽子の3作品は、どれも絵本のようにかわいらしいお話です。
子ども心を思い出せるような、ピュアでやさしいお話。
そのうちのひとつは雪の日が舞台なので、以前から冬の間に読みたいなと思っていました。
『猫の事務所』にすこしの不安が過ったときに、真っ先に思い出したのがこの作品たちでした。
当日のお客さまの気分で決めてもらおう!とアンケートをした結果、僅差で村山壽子の作品となりました。
『猫の事務所』はまたいつか、あたたかい季節に読もうかなと思います。
さて、村山壽子の3作品『三匹の小熊さん』『泣き虫の小ぐまさん』『小ぐまさんのかんがへちがい』は、タイトルの通りどれも小ぐまが主人公です。
そら嬢は『泣き虫の小ぐまさん』と『小ぐまさんのかんがへちがい』の小ぐまさんは同じ小ぐまさんかな?と思っています。『三匹の小熊さん』はまたべつの小ぐまさんたちです。
かわいくてちょっと不思議な?とぼけた?展開があって、昔読んでもらった絵本ってこんな感じだったな、と懐かしさを感じました。
お客さまから「今の子どもたちにも読んでもらいたいお話」というコメントをいただいて、本当にそうだなぁと。こういうピュアなお話に触れることってとっても大切だと思います。
そして大人にも、ちょっと疲れているようなときにこそ読んでもらいたいお話です。
ゆったりとした会場の雰囲気も相まって、今回は「朗読」よりも「読み聞かせ」のような感覚でした。
朗読イベントはいつものんびりとしていますが、いちだんとゆったりとした柔らかな空気が流れていたように思います。
▶『三匹の小熊さん』村山壽子(青空文庫より)
https://www.aozora.gr.jp/cards/001172/files/44976_42823.html
▶『泣き虫の小ぐまさん』村山壽子(青空文庫より)
https://www.aozora.gr.jp/cards/001172/files/44953_42540.html
▶『小ぐまさんのかんがへちがひ』村山壽子(青空文庫より)
https://www.aozora.gr.jp/cards/001172/files/44961_44627.html
そら嬢朗読会 夜のひととき
今回は、朗読会の第七夜から第十夜までの記録をまとめました。
早いもので、もう10回も開催しているのですね…!
朗読会については、数回ごとに記事にまとめています。
過去に読んだ作品やイベントの雰囲気もぜひご覧いただけると嬉しいです。
『そら嬢朗読会 夜のひととき』は、毎月、月末の金曜日にclusterにて開催しております。
約30分ほどの朗読イベントです。

本が好きな方だけでなく普段あまり本に親しみがない方でも楽しんでいただけるような、そして週末の夜にゆったりとお過ごしいただけるようなイベントを目指しています。
ぜひお気軽に遊びにいらしてくださいませ。
▶そら嬢 clusterプロフィール https://cluster.mu/u/sorajou
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