【活動日記】そら嬢朗読会 夜のひととき 第四夜~第六夜

活動日記

こんにちは、そら嬢です!

 

clusterで毎月開催している「そら嬢朗読会 夜のひととき」の記録を残していくことにしました。

今回は第四夜から第六夜までです。

 

第四夜(8/29)

第四夜から、お話の雰囲気に合わせてワールドを変えてみることにしました。

今回はあしゃる様の星海-ほしうみ-というワールドをお借りしました。

 

クラフトアイテムが使えたので、本棚を並べてみました。

 

ドーム型のテントがあり、中にはスクリーンもあります。

ここで朗読をしたのですが、なんとこの日はいつも以上にたくさんのお客様が来てくださり、テントにはおさまりきらない状態に…

 

 

テントの外にもクッションのあるくつろぎエリアがたくさんあったので、こちらで聞いてくださった方もいらっしゃいました。

夜空に浮かぶくらげが幻想的で、とっても綺麗なワールドでした。

 

小川未明『海の少年』

いちばん最初の朗読会でも読んだ、小川未明さんの作品をまた読ませていただきました。

小川未明さんは児童文学を多く書かれている方なので、お話もやさしくてほっこりするようなものが多く、朗読会で読むのにぴったりなんです。

 

『海の少年』は、海でのひと夏の出会いの物語。

やわらかで透き通った雰囲気の、ちょっとファンタジーなお話です。

 

8月、夏の終わりに、夏の素敵なお話を読みたくてこの作品を選びました。

聞いてくださった方にも、幼いころの夏のわくわくする感じや、夏の終わりの少々の寂しさ、ノスタルジックな気持ちなどを感じていただけていたらいいなぁと思います。

 

▶『海の少年』小川未明(青空文庫より)

 https://www.aozora.gr.jp/cards/001475/files/50976_46253.html

 

グリム兄弟『星の銀貨』

皆さんご存じグリム童話のおはなしのひとつです。

冬のお話なのですが、8月に読んだのには理由があります。

 

8月って、夏本番で夏休みで、明るく快活な雰囲気が漂う反面、終戦の日があったりお盆があったり、事故が多かったり…心にくるようなニュースも多く耳にします。

そして多くの業界にとっては繁忙期、忙しさに疲弊している社会人も多いはず…

そのため、8月の朗読会では絶対にやさしいお話だけを読みたいと思っていたのです。

 

グリム童話って、実は原典を読むと怖い結末が多いというのは、ここ最近ではかなり知られていることかと思います。

日本昔話とかもそうですよね…最近出版された絵本ではマイルドな表現になっているようですが。

 

今回読んだ『星の銀貨』は、そんなグリム童話のお話ですが、ただひたすらやさしさのあふれるお話です。

心の優しい少女が、自分も貧しいにもかかわらずほかの貧しい人々に持てるものを分け与えた結果、空からお星さまが金貨となって降り注ぎ、しあわせに暮らしました、という、悪い人も苦しい思いをする人もいない、やさしいやさしいハッピーエンド。

 

『海の少年』と合わせて、お客様からも「やさしいお話で心が洗われた」とコメントをいただきました。

 

▶『星の銀貨』グリム兄弟/楠山正雄 訳(青空文庫より)

 https://www.aozora.gr.jp/cards/001091/files/42316_15930.html

こねこ惑星フェスステージ(9/23)

2025年9月23日(火祝)に、こねこ惑星を挙げての大イベント「こねこ惑星フェス2025」が開催されました!

15時から21時すぎまで、こねこ惑星メンバーがかわるがわるステージに立ちライブやミュージカル、イラストなどを披露しました。

また、メンバー制作の展示ブースも充実している、まさにバーチャル文化祭!

 

そら嬢もこのフェスで朗読ステージをさせていただきました!

いつもよりも大きな会場、大きなステージ…とても緊張しましたが、お客様とメンバーに見守られながら、楽しく朗読をすることができました。

 

▶こねこ惑星フェスについてはこちら

 

▶ステージ全編アーカイブはこちら

 

サン=テグジュペリ『あのときの王子くん』

フェスで読む題材を探していて選んだのは『あのときの王子くん』という作品です。

これは、『星の王子様』として知られているサン=テグジュペリの作品を、青空文庫のボランティアをされている大久保ゆうさんが独自に翻訳された作品です。

青空文庫に公開されており、朗読にも自由に使って良いと許可をくださっています。

 

大久保ゆうさんの翻訳の特徴は、なんといっても言葉がとってもやさしいこと。

「易しく」て「優しい」んです。言葉を素直に受け取ることができます。

フェスにははじめましてのお客様や、朗読を聞くこと自体がはじめてのお客様も来られると思い、なるべく伝わりやすい作品を選ぼうと思っていたのですが、大久保ゆうさんの文章はまさに求めていたものにぴったりでした。

 

『あのときの王子くん』は27章もあるながいお話です。

フェスでは21章のきつねと王子くんのシーンを読むことにしました。

『あのときの王子くん』の中で一番好きなシーンです。

 

ここには素敵な言葉がたくさん出てきます。

「きずなをつくるってこと」「心をおめかしする」「1日をほかの1日と、1じかんをほかの1じかんとべつのものにしてしまう」「心でなくちゃ、よく見えない」…

…どれも、日々忙しく過ごしているとうっかりわすれてしまいそうな、でもとってもとっても大切なことです。

 

こねこ惑星のメンバーは、お互いへの思いやりを忘れない、思慮深くてあたたかい方ばかりです。

そんなこねこ惑星の在り方に、この素敵な言葉たちが重なって、ぜひフェスでこれらの言葉たちを読みたいと思いました。

またお話を読みながら、わたしはこねこ惑星になつけられているんだなと感じて心がじんわりと暖かくなりました。

こねこ惑星になつけられたおかげで、今こうして楽しく活動をすることができています。

わたしからも何かをお返しできるよう、精進していかねばなりませんね。

 

聞いてくださったお客様の心にも、ひとつでも言葉が残っていたらいいなと思います。

 

この日の朗読は、後日動画にしてそら嬢のYouTubeチャンネルにも投稿しました。

スクリーンに映していた動画と朗読音声を合わせ、字幕をつけたものです。

耳と目と両方で物語をお楽しみいただけると思います。良かったらこちらもご覧ください。

 

▶『あのときの王子くん』サン=テグジュペリ 著/大久保ゆう 訳(青空文庫より)

 https://www.aozora.gr.jp/cards/001265/files/46817_24670.html

第五夜(9/26)

第五夜では、さぼひげ@night様の夏の夜というワールドをお借りしました。

畳に囲炉裏がある、日本家屋の古民家のような和風のお家。外を見ると、眼前に田んぼが広がります。

落ち着いた和の雰囲気の中での朗読会でした。

 

撮影:塩辛さん

 

日本家屋も田んぼとあぜ道も、今回選んだお話の舞台にぴったりで、このワールドのおかげでなかなか没入感のある時間になったのではないかと思います。

 

夏目漱石『夢十夜』より 第一夜、第三夜

夏目漱石の『夢十夜』はそのタイトル通り、10編の夢のお話で構成された短編集です。

元は新聞に連載されていた作品だそうです。

 

描かれている夢のお話はどれも少し不思議で少し不気味。

いつか読みたいと思っていた作品で、どの時期が良いだろうか?と考えたときに、じっとりとした残暑の残る頃良いのではないか、と思い、9月の朗読会の題材に選びました。

 

第一夜は、死ぬ間際の女に「100年待っていてください」と言われた男が主人公です。

言われた通りに女を埋葬し、何度も何度も日が昇っては沈むのを見るうちに、だまされたのではないかという思いが過りますが、男の鼻の先へ白い百合の花が咲いたのを見て、いつしか100年経っていたことを悟るのでした。

 

このお話は、長い年月にも勝ち得る愛のお話だとそら嬢は読んだのですが、お客様はいろいろなとらえ方をされていてとても面白かったです。

猫さんを飼っていらっしゃる方が、女は猫だと思って聞いていた、とコメントをくださって、そういう受け取り方もあるのかと驚くとともに、猫さんへの深い愛を感じてじーんとしました。

 

第三夜はまたがらりと雰囲気が変わります。

主人公の男は子を負ぶって田舎道を歩いているのですが、その子は盲目ながら敏感に周囲の様子を言い当てます。男はだんだんと気味悪く思いはじめ、どこかに子を下ろそうと考えていると、1本の杉の木へたどり着きます。

すると負ぶっていた子が「100年前に、お前がおれを殺した場所だ」と言い、ああそうであったと自覚をすると、背中の子が急に石地蔵のように重くなったのでした。

 

はじめて読んだときは、前世の業を夢で見ている、何度転生しても罪からは逃れられないのだという、輪廻転生、因果応報といった仏教的なものを感じ、何度か読むうちに、田舎の口減らしなどの風習なども関係しているのかもしれないな…、と背景まで想像したりもして、そうすると物事の善悪を計るのはなんと難しいことか…と、なんだか哲学的なことを考え始め…

短いお話だからこそ読み手の思考が入る隙がたくさんあって、人によって様々な受け取り方ができそうなお話です。

 

▶『夢十夜』夏目漱石(青空文庫より)

 https://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/799_14972.html

第六夜(10/31)

第六夜は10月31日、ハロウィン当日の開催!

ということで、ちょっとハロウィンを意識したお話を選んでみました。

 

お借りしたワールドはぶんちょうぼう様のちり伏す者よ(約束の復活聖堂)です。

建物も光もとっても美しい、荘厳な大聖堂のワールド。

どこを切り取っても絵になります。

 

撮影:塩辛さん

 

 

また、今回のワールドはスクリーンがなかったのですが、クラフトアイテムが使えたので、素敵な額縁風のスクリーンをお借りしました。

これがまた、雰囲気が出てとってもよかったなと個人的には思っています。

 

撮影:mimidoちゃん この日はいつも以上に緊張していたため、始まる時間まで猫を吸って心を落ち着かせていました

 

アナトール・フランス『聖餐祭』

ハロウィンの題材に選んだのは、『聖餐祭』という作品です。

世界怪談名作集に収録されているうちの1作品のようで、岡本綺堂が翻訳をされています。

怪談とはありますが怖いお話ではなく、不思議な物語です。

 

「聖餐祭(一般的には聖餐式)」とは、日本でいうところのミサのこと。

キリスト教徒が協会に集まり、聖書を読んだり聖歌を歌ったり、祈ったりするあのミサです。

 

この作品は、敬虔なキリスト教徒のおばあさんが霊魂たちが集まる「影の聖餐祭」に迷い込み、昔の恋人と再会し…というストーリーです。 

古い教会、「影の聖餐祭」に集まった霊魂たち、声も衣擦れの音すら聞こえない静かで厳かな空間…文章からもそんな静かでひんやりとした空気感が伝わってくるのですが、お借りしたワールドの雰囲気がお話ととってもマッチしていて、没入感があってよかった!とお客様からコメントをいただきました。

そしてね、このお借りしたワールドの名前に「約束の復活聖堂」とついているのも、もうぴったりすぎませんか…?このお話を読むためのワールドかと思いました。

 

ちなみにこの『聖餐祭』、外国文学を翻訳したものだからか、とっても読みにくい(そら嬢が苦手な)言い回し、言葉遣いが多くて、何度練習してもめちゃくちゃ噛んでしまっていました。

もうカミカミ状態を聞いて笑ってもらうしかないな!と思って本番に臨んだのですが(そのせいでいつも以上に緊張していました)、なんと本番が今までで一番噛まずに読めたのです…ハロウィンの奇跡…!

 

▶世界怪談名作集『聖餐祭』アナトール・フランス 著/岡本綺堂 訳(青空文庫より)

 https://www.aozora.gr.jp/cards/000338/files/43470_16649.html

そら嬢朗読会 夜のひととき

今回は、朗読会の第四夜から第六夜までの記録をまとめてまいりました。

今後も数回ごとに記事にまとめて行く予定ですので、お読みいただけると嬉しいです。

 

『そら嬢朗読会 夜のひととき』は、毎月、月末の金曜日にclusterにて開催しております。

約30分ほどの朗読イベントです。

 

文学作品に耳を傾けながら、ゆったりと過ごしていただけるような時間を作っていきますので、読書がお好きな方はもちろん、普段あまり触れる機会がないという方もぜひ遊びにいらしてください✨

 

 

▶そら嬢 clusterプロフィール https://cluster.mu/u/sorajou

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