映画『怪談晩餐』 話題の人気コミックを韓国豪華キャスト、監督陣で描いた最恐ホラー

レビュー
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韓国の人気ウェブトゥーンを実写化したオムニバスホラー『怪談晩餐』が、7月19日より日本公開となります。

韓国の気鋭監督と豪華キャストが出そろい、まさに「恐怖の食卓」を飾る物語を紡ぐ本作。

出演陣にはK-POPガールズグループEL7Z UPのメンバーであるチャン・イェウン、同じくアイドルグループCLC出身のチャン・スンヨン、オ・スンヒらフレッシュな顔ぶれがオープニングを飾る一方、韓流サスペンスではおなじみのベテラン、キム・テフン、チョ・ジェユンらも出演と、非常に幅広いメンツが出そろいます。

作品は第55回シッチェス国際ファンタスティック映画祭、2022年富川(プチョン)国際ファンタスティック映画祭に正式招待、「韓国ファンタスティック:シリーズキラーセクション」として上映、国際タイ映画祭では作品賞を受賞と、国際的にも高く評価される本作。

人間の奥底に眠る深い闇に迫る、身の毛もよだつ恐怖感が満載の物語集であります……

作品情報

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韓国の漫画、小説サイト「カカオページ」の人気ウェブトゥーン「Tastes of Horror」で連載されたホラー作品を原作として、6つのストーリーを実写化したホラーオムニバス映画。

韓国で活躍する気鋭監督がそれぞれの持ち味を存分に生かした短編を担当、『ブラインド』のアン・サンフン監督、『ホテルレイク』のユン・ウンギョン監督、『殺人漫画』などのキム・ヨンギュン監督、『時間回廊の殺人』のイム・デウン監督、『シャーク 覚醒』のチェ・ヨジュン監督らが作品を手がけました。

あらすじ

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「ディンドンチャレンジ」一人の少女がとある動画サイトで見つけたチャレンジの恐るべき代償。

「四足獣」成績不振に悩む一人の女子高生。ある日突然遭遇したドッペルゲンガーが彼女に教えてくれた成績アップの秘訣とは……?

「ジャックポット」ギャンブルで大儲けした一人の人物。謎の運転手に案内されてたどり着いたモーテルで、彼は……。

「入居者専用ジム」閉館時間厳守ルールが存在する、高級マンションに併設されたスポーツジム。その規則を破った者は……

「リハビリ」名誉の負傷をした消防士が、臨床試験で課された過酷なリハビリに挑む。

「モッパン」:モッパンとは大食い系のライブ動画配信。その配信者がライバルを蹴落とすために仕掛けた罠とは…?

作品詳細

製作:2023年製作(韓国映画)

原題:괴담만찬(英題:Tastes of Horror)

監督:アン・サンフン(「ディンドンチャレンジ」)、ユン・ウンギョン(「四足獣」)、キム・ヨンギュン(「入居者専用ジム」)、イム・デウン(「リハビリ」)、チェ・ヨジュン(「ジャックポット」「モッパン」)

出演:

「ティンドンチャレンジ」チャン・スンヨン、オ・スンヒ、チャン・イェウン
「四足獣」シン・ウンス、キム・ホジョン
「ジャックポット」キム・テフン、チョ・ジェユン
「入居者専用ジム」ユン・ヒョンミン、チャン・グァン
「リハビリ」イ・ジュヨン、キム・ジュリョン
「モッパン」パク・ジナ、チェ・スイム

配給:アルバトロス・フィルム

劇場公開日:7月19日(金)より全国ロードショー

公式サイト:https://kaidanbansan.com/

今という時代に生きる人たち。その心の奥底に潜む「闇」に迫る物語集

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Tik Tokのようなショート動画をテーマとした「ディンドンチャレンジ」、動画配信では韓国でも人気が高い、いわゆる大食いをテーマとした「モッパン」と、いわゆる「Zalphas(ザルファス)世代」と呼ばれる若い層へのアピールというポイントの印象が強い本作。

ネットを中心とした若い世代へのアピールが強い作品の他にも受験戦争、ギャンブル、人付き合いといったさまざまなモチーフの中で、このオムニバス作品がメインテーマとしているのは、その恐怖の根源に「人間の強欲」に触れたものであります。

その意味では、物語によっていわゆる心霊現象やモンスター的なアイテムを用いずに恐怖要素を描いているものもあり、製作陣の独自のセンスが感じられるものでもあります。

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一方、全作の中でも異色なのが「リハビリ」という物語。

この章は他の章に比べるといわゆる「強欲が巻き起こす恐怖」とは違ったテーマでありますが、自身の記憶も明確ではなく、どうしてその場にいるかもわからないままに病院での時を過ごす、その不安感は現代社会の闇を描いているようでもあり、今という時代の恐怖を描いているという点において共通したテーマが見えてきます。

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ちなみにこの物語、謎のリハビリ施設の中で不安に駆られながら時を過ごす主人公を演じたイ・ジュヨンは、大ヒットドラマ『梨泰院クラス』でトランスジェンダーのマ・ヒョニ役で注目を集めました。2023年に行われた「広島国際映画祭2023」で広島に訪れたこともあり、独特の雰囲気を持った女優でもあります。

普遍的なテーマを扱っているという意味では先述の若い世代へのアピール性が見える一方で、全編を通して見ると、幅広い層にも共感するものであると感じられます。スラッシー&グロテスクなイメージ先行の作品とはまた異なる、文字通りの「Tastes of Horror」を味わえる作品であります。

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