20年以上前に生まれた概念なのにコロナ禍突入の頃から猛烈に流行り始めた「メタバース」ですが、現在進行形でその盛り上がりが加速しており、よくよくアンテナを張ってみると行政からも企業からも「メタバースを使います」みたいなニュースを頻繁に目にするようになっています。
「気になるから始めてみたいな」と考えているメタバース初心者におすすめなのがcluster(クラスター)です。
メタバースといえば専用の機器が必要という印象もあるかもしれませんが、cluster(クラスター)はスマホだけでも楽しむことができる日本製のメタバースなんです。
オンラインゲームに慣れている人なら抵抗なく始めることができると思いますが、普段SNSくらいしか触れたことがないという人は結構戸惑うところが多いかもしれません。
そういった入門者向けにclusterの始め方をまとめました。
概要パートとはじめかたパートに分けてご紹介しますが、まずはマナーやルールを知っていただくという意味での概要パートです。
メタバースとは
cluster(クラスター)は数あるメタバースサービスのうちの一つなのですが、「そもそもメタバースって何?」という人もおられるかもしれないのでそこからお話ししましょう。
メタバースとはサービス名や商品名ではなく三次元のバーチャル空間を使ったサービスの総称で、今回紹介するclusterは数あるメタバース関連サービスのひとつなんです。
「SNSという総称があって、XやInstagramやTikTokが具体的なサービス」と同じ感じですね。
メタバースにはcluster以外にもユーザー数ナンバーワンと言われているVRChatや、メタバース内でのゲームに特化したRec Roomや、配信に特化したREALITYなどなど、得意分野を変えながら把握しきれないほどたくさんのサービスが存在します。
任天堂のシリーズ「どうぶつの森」もメタバースの一種という見方もあるので、無意識のうちにメタバースやそれに類するものに触れている人も多いでしょうね!
色々ある中でなぜclusterをお勧めしているかという理由は後ほど。
メタバースでは自分の分身であるキャラクター「アバター」を使って仮想空間に入り、そこで現実とは違う姿で生活することができるものです。
「生活する」というと大袈裟ですが、ちょっとした隙間時間にふらっとログインして30分だけ遊ぶような使い方も含まれています。
メタバースでは誰かと話したりするだけではなく、個性的な3Dの世界(ワールド)を観光感覚で探索したり、イベントに参加したり、仕事仲間と会議をしたり、音楽ライブを開いたり、展示会を開いたりなど本当にいろんなことができるようになりました。
場所、性別、年齢、時間などの制約を取っ払って自由で新しい生き方ができる場所、それがメタバースです。
現実の世界をメタバース上に再現されているものがあり、clusterではバーチャルあべのハルカスなどが人気で、最初に訪れたワールドがここという人も多いです。
近い未来だと2024年1月だけでもバーチャル江戸・tokyo(https://sushitech-vr.metro.tokyo.lg.jp/jp/)やメタバースえひめ(https://www.metaverse-ehime.jp)などが発表されているので、この流れはこれからしばらく加速しそうですね。
メタバースが生まれたばかりの20年前は自分でアバターを作るのも大変だったのですが、今はスマホだけでも簡単に作れるので気軽に自分の理想の姿で参加できるようになったのも大きな魅力の一つです。(自分でアバターを作るのが面倒と感じる人は、標準アバターを使うこともできます)
いろんな有識者がいろんなタイミングで「今年はメタバース元年だ!」と言っていますが、私的にはここ1〜2年での進化や変化が特に目まぐるしいと感じており、2023年は新しいVRゴーグルMeta Quest3が発売され、2024年にはAppleからもVRゴーグルが発売されるということもあって、2024年とかが何度目かのメタバース元年になるなのかなとも思っています。
メタバースはこれから始めても「遅くはない」というタイミングだし、これからも盛り上がっていくので気になる人は今すぐ始めちゃいましょう!
cluster(クラスター)を推す理由
数あるメタバースの中で私がcluster(クラスター)を推している理由は「日本が開発したメタバースなので日本人にとって使いやすい面が多い」というところです。
ユーザー数が最大と言われているVRChatはさまざまな国の人が楽しんでおられ、通りすがりの人と話そうとすると英語になることが多いのですが、clusterはほぼ日本人しか使っていません。
これが良いか悪いかはさておき、日本語だけで楽しめるというのは初心者にとって大きくハードルが下がることだと思います。
また、メタバースを楽しむためにはゲーミングPCやVRゴーグルが必要なケースが多いのですが、clusterはスマホだけでも楽しめるというお手軽さも大きな魅力です。
しかも無料で利用できて、普通に使う限りは課金要素がほぼないとも言えるサービスなのです。
数年前は過疎ってる瞬間を感じることもあったのですが、最近はユーザー数の増加を実感することも多く2023年の1月時点で現在総ダウンロード数100万回以上、累計総動員数は2,000万人とのことで、”国産のメタバース”では圧倒的なユーザー数と言われています。
ログインした人がとりあえず入るであろう「ロビー」に行くと、たいてい誰かが会話していたり路上ライブなどをやっていたりして、特に目的がなくても楽しい発見があるのがclusterなのです。
メタバースはさまさまな種類のものがあるのでまずは初めての人でも使いやすいclusterを体験してみてから、より自分にあったサービスを探すのもいいかもしれません。
cluster(クラスター)のいいところ
- ネット環境があればスマホだけでも気軽に始めることができる
- 普通に楽しむだけなら無料だと思ってよい。希望者はアクセサリーやVアイテム(投げ銭)の購入もできるが、それ以外の課金要素は基本的にはありません
- 自分で作ったアバターを持ち込んで使うことができる
- ネット上のイベント(トーク、音楽ライブ、簡単なゲームなど)に使いやすいので、いつも何処かで誰かがイベントを開いており、公開イベントは誰でも自由に参加できるので暇なときにふらっと参加しやすい
- 自分が希望する人とだけで使うこともできるので、仕事の打ち合わせや会議にも使える
- ロビーにはスタッフが常駐しており、質問に答えてくれたり悪質ユーザーを監視してくれたりしている
- 手厚い運営のおかげか、悪質ユーザーを見かけることがほとんどないので治安の良さを感じる
- 技術を学べばワールド(3Dの仮想空間)やアクセサリーなども作ることができるので、利用者のレベルや興味の幅に応じて楽しみ方のステップアップもできる
cluster(クラスター)はもちろん、たぶんメタバース全体のマナー
メタバースでは自分自身を自由にデザインできるという特性上、”究極のごっこ遊び”を楽しんでいる人も多いです。
現実の人格とは違う人格(性別や年齢も含む)を持っている人も多いので、メタバース上の自称をお互いに尊重し合うことが大切です。
ねこのアバターで「私は猫です」と言っている人がいたら、ねことして接してあげることが大切です。
以下、それらを前提とした一般的なマナーです。
- メタバース内のアバターは人間と同じように扱う必要があります。バーチャルとはいえ突然触ったり、殴りかかったり、意図的に踏んづけたりはダメです。
- 相手の自称を尊重しましょう。女性っぽいアバターだけど声が男性という方もたくさんいますが、その人が「女の子です」と自称していたら女の子なんです。
- 会話は近くの人にも聞こえていますので、公共の場での会話と同じくらいの配慮が必要です。下品な会話や有名人の悪口などはダメで、会話に限らず卑猥な表現は運営に禁止されています。
- 相手のリアルを不用意に聞かない。居住地、年齢、性別、職業など不必要に聞くことは好まれません。
- 相手が持ち込んでいないリアルの内容を持ち込まない。たとえば、本名を知っていても本名は言わない、その人のリアルの仕事を知っていてもメタバースの中でその話題を振らないなど。
- まだ仲良くなっていない人のアバターに不用意に近づきすぎない。メタバースにもパーソナルスペースを感じる人も多く、アバター同士でも過度にくっつかれたり触られたりするのは嫌がられます。出現位置や読み込み速度の関係で意図せず重なってしまうことなどもあるのですが、意図せぬ重なりに気づいたら距離をとってあげるようにしましょう。
大まかには「礼節においては現実と同じような礼節を、個性やプライバシーに関する部分は現実のようには踏み込まない」を基本路線に行動すればOKです。
もっと詳しく知りたい場合は、cluster内にツアー(使い方やルールを学ぶエリア)を利用したり、ガイドラインに目を通したりすると良いでしょう。
https://help.cluster.mu/hc/ja/articles/18396231289625-cluster-コミュニティガイドライン
もちろん、メタバースは他人と関わらない使い方(交流を目的としない使い方)をすることもできますので、交流したくないなという方は無理に交流する必要はありません。
アイテムやアバターデザインに関する注意
メタバース上での自分の分身となるアバターや身につけるアイテムは自由に選べますが、自由だからこそ守らなければならない点もあります。
「他人が不快になるアバター」と「他人の権利を侵害するアバター」は使わないように心がけましょう。
cluster(クラスター)の中でもアバターを作ることができますが、clusterの機能を使ったアバターであればこれらのNG事項に抵触することはないと思って大丈夫です。
- 裸のようなアバター、下品なデザインのアバター(過度な流血表現も含む)などはダメ
- アニメや漫画のキャラクターを真似したアバターは他者の権利を侵害する可能性があるのでダメ
- 過度に大きすぎるアバターは嫌われる(=ブロックされる)可能性があります。大きすぎるのがなぜダメかというと、他の人の視界を過剰に塞いで邪魔になるからです。
その他、細かなルールがありますので自分でアバターやアイテムを作るときにはclusterのガイドラインを確認するのが良いでしょう。
https://help.cluster.mu/hc/ja/articles/8939422427289-cluster-コンテンツガイドライン
cluster(クラスター)に必要なもの
cluster(クラスター)はスマホ(タブレット)、パソコン、VRゴーグルのいずれかから利用できます。
メタバースといえばVRゴーグルやゲーミングPCが必要と感じている方も多いのですが、clusterの最大の特徴はスマホだけでも簡単に遊べるという点です。
スマホだけで遊ぶ場合はユーザー登録も不要です。
他の端末でログインする場合はユーザー登録が必要で、端末が壊れた時のバックアップという意味でもユーザー登録はした方が良いです。
clusterでは使う端末により得られる体験が大きく変わりますので、複数の端末をお持ちの方はそのとき得たい体験に合わせて使い分けるのも良いでしょう。
スマホ、タブレットの場合
ここ3年以内に発売された端末なら問題なく利用できる場合が多いです。(Andoroidの場合、格安のものだと無理かも)
メリット:一番お手軽に使えて操作性も良いです。スマホだけで遊ぶならユーザー登録も不要。
デメリット:画面が小さいので没入感がない。画質が下がったり演出等が簡略化されることもある。画像やファイルをスクリーン共有することができない。
ネット環境があればスマホゲームと同じ感覚でお手軽に楽しめます。画面が小さいので広い世界を眺めたり、高い建物を見上げたりという部分では感動しにくいです。
お手軽な一方でメタバースの魅力を半分も体験できていないかもしれないので、スマホだけの利用で「メタバースはつまらない」と判断するのは禁物です(笑)
パソコンの場合
WindowsだといわゆるゲーミングPCと呼ばれるもの、macだと2020年以降(M1やM2などAppleシリコン)のモデルが推奨です。古いパソコンでも動きますが、動作がカクカクしたり画質が下がったりする可能性があります。
メリット:ほとんどすべての機能が使える。画面共有機能でパソコンの画面をイベント参加者に見せることなどもできるのでイベント主催者はパソコンを使うのがいいかも。
デメリット:キーボードとマウスで操作するのでちょっと操作が難しい。
操作性があまり良くないのでアバターの手を動かすのも難しさがあり、アバターの動きを使った自己表現には向いていません。
一方で、clusterの機能を存分に使えるのでスライドや画面共有を使うようなイベント主催者はパソコンを使うのが便利です。
カラオケライブなどをする場合もパソコンだとできることの幅が増える場合があります。
VRゴーグルの場合
没入感MAX!新しい自分の体を手に入れたような感動を得ることができます。VRゴーグルにはいろいろ種類がありますが、ここではMeta Questシリーズの場合でご紹介します。
メリット:体の上半身が自由に動くので体全体を使ったコミュニケーションが可能。簡易的にダンス等のパフォーマンスもできるので歌のパフォーマンスなどにも向いています。また、没入感がかなり高いので「相手のアバターと目が合う」みたいな経験もでき、人によっては相手の吐息や熱や食べ物の味なども感じるようになることもあります(ファントムセンスと言われています)
デメリット:外界の情報を取り込むのが難しいので、パソコンを操作しながらだとか、歌う時にマイクやミキサーを触りながら使うには不便に感じます。文字入力なども操作しにくく「アバターで動き回ったりお話をする」以外のことをやるには不便を感じます。あと、致命的に難しいのがアクセサリー類の装着方法です…VRゴーグルの方式はリアルだとは思うけど使いにくさを感じます…
特別な機器が必要なのでハードルが高いですがぜひ体験してほしいのがVRゴーグルです。
ゴーグルを通して自分の手のひらを見るとアバターの手のひらが見え、他のアバターと目を合わせて会話をすることもできるため、「メタバースの中で生きている」という経験を得ることができ、スマホやPCでは得られない感動や感覚を得ることができます。
Quest3の三点トラッキングで踊るためにダンスの練習に励んでいます!
— こねこ(VTuberごっこ中) (@vr_koneko) January 4, 2024
今日はリアル天井が低いからやってないけど、ジャンプも拾ってくれるのでいろいろできそう!
(周りの猫ちゃんは私の部屋で無限増殖して剥がせなくなった自作のポスターです) #Vtuber準備中 pic.twitter.com/rj2x0ySiqU
↑こちらはMeta Questを使って鏡の前で踊っているシーンを録画したものです。VRゴーグルだけでこれくらい自由に動けます。(脚は頭の位置に合わせて勝手についてくるので思い通りには動いてないです)
完全に没入することになるので外界の情報を取り入れにくく、イベントの種類によっては主催者が使用するには適さないかもしれません。
clusterを使うだけであればMeta Quest2でも十分で、こちらセール等で3万円台で買えることが多いです。
アカウントは共通なので、複数の端末を持っている人は「今日は講習会の主催だからパソコンで、今日はお友達と話すことがメインだからVRゴーグルで」のように適した端末への使い分けが可能です。
今回はここまで!
実際にcluster(クラスター)を使う流れについては次の記事でご紹介します。