これがノベルティ? 無料なんて嘘だろ?

あのカメラメーカーNikonの「Nikon F4」ペーパークラフトです。
これがノベルティグッズなんですよね。
ノベルティとは、企業名や商品、サービスなどの認知拡大を目的として、無料で配布するものです。
新しいゲームソフトの発売時にキャラクターや乗り物などをペーパークラフトにする例は多くあります。(いつか紹介しますね)
それにしてもカメラをペーパークラフトにするかぁ?
当時の販売企画部の方は一体何を考えていたのか?
もしくはペーパークラフトマニアが企画部にいたのか?
よく、この企画が通ったものです。
全く手を抜いてないのだね。
この手のノベルティは基本実物大が多いですね。

大体のイメージを伝えるのが目的なので、大半は簡略な造形設計です。
しかし!このペーパークラフトは造形においても、全く手を抜いていません。驚きです。
無料で配布するノベルティでしょ?
何んなの、このパーツ数は?
A4シートを4枚も使うとは、結構なものですよ。
画像からも、部品の細かさが判るでしょ?
依頼を受けたペーパークラフトデザイナーも最初は唖然としたのではないでしょうか?
このカメラの良さを世間に伝えるのだぁ!(バブル時代のやりかたでね)
組立説明図を見ると、工作難易度もなかなかのものですね。

ところで、この「NikonF4」というカメラをご存じですか?
1988年、バブルのまっただ中、Nikonから初のオートフォーカス(以下AF)搭載プロ用一眼レフカメラ、F4が発売されました。
オートフォーカスというのはピントを自動で合わせてくれる機能のことです。
今ではAFって普通でしょ?
でも、当時一眼レフでAFってのは、もの凄いことだったのです。
美しい曲線美と機能性を追求した造形デザインはジョルジェット・ジウジアーロ氏によるものです。
たくさんのボタンやダイヤルはカメラファンの憧れ、とにかくカッコイイですね。
フィルムの巻き上げがモータードライブなので、
「クァッシャア」続いて「グィンジャアー」という、重量感のあるシャッター音と、フィルム巻上げ音。
(擬音下手くそでゴメン)
たまらんですわぁ!



そういうカメラを世に伝えるからこそ、ペーパークラフトという素材が選ばれたのか、とも思います。
このレベルのペーパークラフトの設計・製図デザイン料は、かなりなものです。
でも、当時バブルだったもんなぁ。
なんでもイケイケで、大概のことは金で解決してたもんなぁ。
だから、こんな企画も通ったのかなぁ。
組立説明図を見る限り「ボタンやダイヤル」が本物と遜色ない形で再現されています。
カメラも凄いですが、ここまで徹底再現するデザイナーの技術も凄いと感じました。

裏面は実線表示ですね。切取り用かな?
透かして見ると、表と裏が全くズレていませんでした。
実線だけ見ていると、微妙な曲線造形も正確に再現されているなぁ、と思います。
黄ばんでいる~!経年劣化!残念!


透明パーツが附属しています。
レンズ以外に、絞り表示窓のところにも透明パーツを使うんですね、細かいです。
その透明パーツが、「黄ばんでる~」。
私は基本、コレクションは工作せずに、半永久的に保存します。
(工作したいものは2つ入手します)
しかし、保存が雑なので、このようなパーツは傷んでしまいます。
困ったものです。
このペーパークラフトはオークションやメルカリで時々見かけます。
また、Canonとか他のメーカーもカメラのペーパークラフトを出しており、
フリーダウンロードで入手が出来るものもあります。