[レビュー]SHURE WH20XLRはVRで踊りながら歌うVTuberやVSingerの妥協的定番アイテム!

音楽

VRゴーグルを使ってライブパフォーマンスをしているVTuberさん、VSingerさんの定番マイク「SHURE WH20XLR」をぶっちゃけでご紹介します!

VRゴーグルを使って歌のパフォーマンスをしてる人の中には、「マイクが邪魔で動きにくいけど、もっと自由に体を動かしたい」というお悩みを抱えている人も多いかと思います。
今回はそんな悩みを解決する定番アイテムSHURE WH20XLRをご紹介します。

写真撮影が難しすぎて見苦しいですよね!気になる方はAmazonなどで写真をご確認ください。

SHURE WH20XLRは頭に固定して使うヘッドセットのようなマイクなのですが、体を動かしながら歌いたい人が最初に選ぶレベルの定番マイクなのです。

結論としては、「音質を犠牲にしてでも自由に体を動かしながら歌いたい人」の最初の一台としてはおすすめのマイクです!

購入前の注意点

いろんな誤解を生みやすい機器なので、まずはよくある誤解への回答をまとめておきました。

・これはヘッドセット型ですがマイクのみの機器です。イヤフォン機能はないので別途イヤフォンなどは必要

・XLR端子(一般的なマイクケーブル)なのでオーディオインターフェースが必須です

・ダイナミックマイクなので、ゲインが稼げないオーディオインターフェースだと音が小さく聞こえるかも。AG03MK2なら特に問題なかったです。

・「SHURE WH20XLR」と似たような名前で「WH20TQG」というものがありますが、XLRTQGはそれぞれマイクの接続方法の形式です。TQGのものはワイヤレス接続なのでこちらが気になる方もおられるかもですが、マイク以外に専用の接続機器が必要です。(受信機と送信機で12万円くらい)

SHURE WH20XLR装着イメージ

SHURE WH20XLRは太めの針金の先に小さなマイクがついているような形状です。
この太めの針金を眼鏡のように耳の上に通して、頭の横側でしっかりホールドする形で装備します。
後頭部に回ってくる部分は位置調整ができるので、首の付け根あたりまで下げることも可能です。

つけた瞬間は軽いし楽だなって感じるのですが、数分後から締め付けで「頭が痛い!」ってなっちゃうので、サイズ調整が必要です。
サイズ調整は根気が必要だけど腕力だけで簡単にできます。

メリット

激安マイクよりは音質が良い

SHUREっていうメーカーは、ライブハウスやリハーサルスタジオに行くボーカリストは絶対に知っているもので、SHURE SM58のないライブハウスは存在しない」と言われるレベルの超定番マイクです。
ボーカルさんがマイク選びをする時も「SM58よりも〇〇」みたいな感じで、マイク選びの基準としてもよく話題にでる超定番モデルです。

SHURE WH20XLRもこのSHUREが作ったマイクなので、ネットショップにある3000円から5000円くらいの謎メーカーや格安メーカーのものよりも信頼度は高いです。

ライブハウスのボーカルが最初にSM58に触れて、SM58を基準に自分に合うマイク選びをするように、SHURE WH20XLRも頭装備型のマイクの基準になるのかなという気がします。

SHURE WH20XLRは口とマイクの位置関係で音質が結構変わるのですが、音のベスポジと感じた部分でSM58の音質に比べると「少しシャリシャリした感じで、低めの部分はスカスカした感じもある」という印象でした。
ある意味、音声として聞き取りやすい部分が強調されてるのかなと思いましたが、声との相性によってはそのままだとかなり物足りない音質でもあり、EQでの調整は必須かなと感じました。

マイク位置が固定されるので音量が一定になる

マイクスタンドを使うパフォーマンスだと、常にマイクの正面を狙って立っておかないといけないけど、SHURE WH20XLRは頭に固定してヘッドセット(イヤフォン機能はないですが)のように使うので音量を一定に保ちやすいです。

ケーブルが邪魔にならない

これも地味に素晴らしい設計でした!

VRゴーグルをつけていると現実の世界が見えないので、歌いながら手を動かしているとケーブルに引っかかっちゃうという不都合が生じます。

SHURE WH20XLRは、ケーブルが背中側に出るようになっているので、オーディオインターフェースなどを背中側におけば体の前にあるケーブルを全廃できるんです。

のびのびとしたパフォーマンスが可能

VRゴーグルをつけた状態でマイクスタンドを使うと、マイクの位置を把握しにくいので体制が制限されてしまい、せっかく体を自由に動かせるVR環境でも縮こまったパフォーマンスになりがちです。

SHURE WH20XLRだとその心配がなくなるのは大きいです。

手を自由に動かしてもマイクやマイクスタンドに当たることがなくなるし、たとえば、声を長く出す時など体勢を変えて力みたい時などもケーブルやマイク位置を気にせずに動くことができます。
ケーブルやマイクスタンドがある環境だと、体の前で手を左右に大きく振るというのが難しかったのですが、それらを気にすることなく体を大きく動かしてパフォーマンスができるのはやっぱ最高ですね!

頭を動かしてもマイクが付いてくるので、正面以外のお客さまの顔を見ながらお話しするのも可能です。

雑音に強い

自分の声以外の余計な音を拾いにくい設計になっていますので、環境音や騒音なども比較的拾いにくいです。

これ系のマイクは頭ではなく上着にクリップでつけるタイプもありますが、そのタイプのものは動くと服のガサガサ音が入ってしまいますので踊りには不向きです。
SHURE WH20XLRは口の前で宙に浮いているようなタイプなのでその心配もありません。

雑音といえば、マイクスタンドを使う場合はマイクやマイクスタンドに手がぶつかった時の「ボワン!」「ポコン!」が定番ですが、SHURE WH20XLRだとその騒音の可能性もかなり低くなります。

だいぶ軽い

本体はめっちゃくちゃ軽いので、重さや重心の関係でズレちゃうみたいなことはまずありません。

SHURE WH20XLRで一番重い部分はXLRコネクタですが、このコネクタはパンツのベルト部分などに引っ掛けられるようクリップがついています。

なので、重さに関する不自由を感じることはほぼなく、そもそもVRゴーグルの重さに慣れていれば無に等しい重量です。

弾き語り初心者にもおすすめ

VRゴーグル関係なしの話ですが、SHURE WH20XLRを使えば頭を自由に動かしても声が均一になるというメリットを活かして、「弾き語り初心者にもおすすめ」という話を聞きました。
弾き語り初心者だと、ギターのフレットやピアノの鍵盤をみちゃうので、マイクを正面に捉えて歌うのが難しいけど、SHURE WH20XLRなら常に正面だからねという意味ですね。

ただし、後述の音質のデメリットがあります。

マイクと声の相性や、EQ設定などで自分が妥協できる音質を作れるなら、弾き語りにもおすすめですね!

デメリット

コンデンサマイクや普通サイズのダイナミックマイクに比べると音質はイマイチ

「Quest3内蔵マイクよりも良い」という触れ込みをみましたが、私の感覚だとぶっちゃけイマイチで、用途によってはQuest3の内蔵マイクの方が明瞭に聞こえることもありそうです。
ただ、Quest3内蔵マイクを使っての弾き語りやカラオケライブは普通はできないので、今回の用途では選択肢から外れます。

SHURE WH20XLRの場合、発声方法や声質による相性もあるかと思いますが、EQを使った整形は前提になってる気がします。
私の使用範囲ではAG03MK2内蔵のEQで「まぁ妥協できるレベル」には持っていけました。

音質が微妙というのは最大のデメリットですが、ネット経由の配信だと高音質なマイクを使ってもどれだけそれを活かせるかというのは議論の余地がある部分です。(ネット経由だと音質は劣化しがちなので)
なので、劣化を前提に考えると妥協ラインってけっこう低めで、私はこの音質+EQでの調整でも「まぁいける!」と感じるレベルでした。

マイクの位置決めをしっかりしなきゃならない

口の近くに置くマイクなので、位置が少し変わるだけでも音質が違って聞こえます。

特に、口の真正面に置いてしまうと息がポフポフ入っちゃうので、口の端っこのやや上あたりがベスポジと言われています。
ベスポジは声質にもよって変わってきますので、自分の声だとどこが一番良いかをしっかり探して把握しておく必要があります。

これをおざなりにすると「いつもと同じはずなのになんか音が違う」みたいなことが起きがちなマイクかもしれません。

マイクのクセを掴むまでは、漫然と使うのではなくSHURE WH20XLRと向き合って自分のベスポジを意識しながら探す必要がありそうです。

装着感の調整も必須

SHURE WH20XLRを使ってる方が口々にこう言います。

「頭が割れそうに痛い…まるで孫悟空のようだ…」

これを言ってる人たちの中に、孫悟空経験者はいないでしょうから飽くまで想像でしょうが、言いたいことはめっちゃわかる!
SHURE WH20XLRは太い針金一本で頭を締め付けて装着するという原始的な方式なんですよね…
頭の大きさによっては、頭蓋骨に穴が開きそうって感じる方もおられるかもしれません…

この対処法はズバリ、力で針金をひろげて自分の頭のサイズに合わせるです。

広げすぎるとずれ落ちそうになるし、戻しすぎるとまた頭が痛くなるしで、調整が難しいですが、頭の痛さに耐えられてずれ落ちることもないというポイントを見つけたらSHURE WH20XLRはもうあなたのものです!

ケーブルの耐久性は不安

マイクケーブルは細めなので強く引っ張ったら簡単に断線しそうです。
マイクケーブルは本体に直付けタイプなので、断線しても簡単には交換ができないので取り扱いには注意が必要そうです。
マイクの一流メーカーが開発したものですから過度な心配は不要かもですが、手にした時に頼りなさは感じました。

VRゴーグルと併用する場合の疑問

この記事を読まれている方はQuest3との併用を検討している方が多いかと思うので、それらに関するお話をちょっとだけいたします。

[未経験の方が持ちがちな疑問]Quest3などVRゴーグル内蔵マイクでいいのでは?

Quest3の内蔵マイクはなかなか使いやすいのですが、前提として、VRゴーグル内蔵マイクだとカラオケ方式の歌唱パフォーマンスが難しいため、オーディオインターフェースと外部マイクを併用しているんです。

PCとVRゴーグルを連携させるという方法もあるのですが、高いスペックのPCとPCオーディオの専門知識がないと、自分の声が遅れて聞こえるというトラブルもありがちで、そこを突き詰めるよりはオーディオインターフェースと外部マイクで解決したほうが手っ取り早かったりします。

この辺りの参考記事はこちらです

なお、弾き語りもQuest3のマイクは向いていません。
人間の声を拾って、それ以外は雑音として扱うみたいな設計になっているため、Quest3のマイクだけでギターの音などを拾うことが難しいためです。

VRゴーグルのヘッドバンドと、マイクのヘッドバンドが干渉するのでは?

私も一番心配したのがその部分なのですが、Quest3に関していえばマイクの装着位置の調整でクリアできます。

Quest3のヘッドバンドは後頭部につける形になっていますが、SHURE WH20XLRは首の付け根の後ろに持ってくることもできます。
主に頭の左右で固定しているだけなので、後ろ側に回ってくる部分は浮いてるので、位置調整はかなり柔軟です。
なので、基本的には干渉は心配しなくて良いかと思います。

頭がさらに重くなるのが心配

SHURE WH20XLRで一番重いパーツはXLR端子なのですが、これはズボンのベルト部分などにクリップで固定することができます。
SHURE WH20XLRのその他の部分はかなり軽くて、VRゴーグルの重さに慣れていると無に等しいです。
「頭がさらに重くなる」の心配はほぼないものだと思っていいかも。

Quest3の購入を検討してる方向けレビュー記事

利用者コメント

mimidoさん

VRゴーグルでパフォーマンスする時にマイクスタンドやケーブルに煩わしさを感じていたmimidoさん、もっと表現の幅を広げたいと言うご相談をいただきこのマイクをお勧めしたところ、すぐに購入して実戦投入していました。

こねこ星人
こねこ星人

使ってみてどうでしたか?

mimido
mimido

歌いながら頭を自由に動かせるようになったのがとにかくいいです!
ケーブルやマイクスタンドを気にせずに手が動かせるので、いろいろな表現ができるようにもなりました。
声をしっかり出したい時に体を大きく動かしても大丈夫なのもいいです!
最初は音質が気になりましたが、イコライザーの調整でほとんど気にならなくなりました。
でも、マイクの微妙な位置の違いで音質がけっこう変わりますので、マイクの位置調整を研究しているところです。

こねこ星人
こねこ星人

装着中に頭が痛くなる問題はどうでしたか?

mimido
mimido

少し開いた方がいいと聞いていたので、少し開いてからつけてみたところそんなに気になりませんでした。
30分以上つけていると痛くなることがあるのですが、ライブが毎回30分くらいなので大丈夫です。
もう少し調整の余地がありそうなので、長いライブをする前には調整してみます。

mimidoさんは毎週木曜日の夜にclusterで定期ライブ(無料)を開催しています。
音質や動きの参考になると思うので、興味がある方は覗いてみてください!

↓mimidoさんのclusterアカウントをフォローしておけば、定期ライブに参加しやすいです。

mimido | メタバースプラットフォーム cluster(クラスター)
みみどです!歌うことが好きです・:*+.:【定期】毎週木曜日20:30〜、【不定期】ですが22時台〜、ロビーやイベントで歌っています!お気軽にお声がけください^^YouTubeチャンネル名は、「mimido+みみど」です!

余談:私の利用環境

SHURE WH20XLRのメリットを100%発揮させるためには、ケーブル類を全て背中側に回すというのが重要になります。
私は、ダイソーのワイヤーメッシュを壁にかけて、AG03MK2をそれに固定させて使っています。

ワイヤーメッシュもそれにつけてるカゴも全部100円!
これだけだと安定しないので、マジックテープのついたゴムベルトで固定していますが、これも100円!
写真では傾いて見えるかもですが、ゴムベルトのおかげもあってかなりしっかりと固定されています。

私はワイヤーメッシュを少し壁から離して宙吊り方式にしています。
なので、もし体がぶつかってもワイヤーメッシュがしなって多少の衝撃は吸収してくれるので事故も起きにくく、後頭部の位置くらいにAG03MK2を置くことでケーブルの長さを十分に活用できます。

こういう下準備をしっかりしておくことがSHURE WH20XLRのメリットをフルで引き出すことにもつながるのでおすすめです!

まとめ

メリットとデメリットを吟味した上で取捨選択が必要な商品ですが、「音質を犠牲にしてでもアバターをもっと自由に動かしながら歌いたい」という思いを実現するには最適なマイクです。
これ系の激安マイクはいろいろあるのですが、激安マイクを買うと「安いからダメなんだな、次はもう少しいいものを買おう」ってなって、次に買っても「これもダメだ、もう一個別のやつをためそう」になって、最終的に「やっぱ定番じゃないとダメだ、SHURE WH20XLRを買おう」ってルートに陥ると思います。
なので無駄な回り道で余分な時間とお金を消費するよりは、界隈でド定番の商品がはっきりしていればド定番から試してみるのがいいですね!

おすすめできる人

・激安マイクの音質よりもいいものが欲しい人

・音質に妥協してでもVRで自由に体を動かしたい人

・EQの超基本的な使い方がわかる人orあまり細かな音質は気にしない人

お勧めしにくい人

・動きよりも音質で勝負したい人

・回転するくらい本気で踊る人(無線モデルの方がいい)

・オーディオインターフェース等を持っていなくて、機器を揃える予算が厳しい人

・逆に、お金をたくさん持ってる人はこれより品質のいいものが選択肢に入るかも

以上、あなたのパフォーマンススタイルを吟味して、メリットが多そうだなと感じたらSHURE WH20XLRを試してみてください。

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