映画『ロビー! 4000億円を懸けた仁義なき18ホール』笑えるのに、どこか他人事じゃない。妙なリアリティの韓国コメディー

レビュー
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韓国のトップスターの一人、ハ・ジョンウが『いつか家族に』以来10年ぶりに監督を努めたコメディー映画『ロビー! 4000億円を懸けた仁義なき18ホール』が全国公開されます。

本作は仁義も尊厳も無用の「接待ゴルフ」をテーマに抱腹絶倒のコメディーを描いたストーリーですが、その中には「生き馬の目を抜くビジネス業界の残酷な掟」が感じられるメッセージ性も見えてくる物語。

俳優としてだけでなく監督としても作品作りのセンスが光るハ・ジョンウをはじめ、プロフェッショナルな面子による極上の演出、そしてモダンな風刺精神と絶妙なコンビネーションで作り上げられた作品が誕生しました。

映画『ロビー! 4000億円を懸けた仁義なき18ホール』概要

作品情報

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巨額の収益が見込める国家プロジェクトに参入するため、全く経験のない接待ゴルフでロビー活動に挑む若社長の奮闘を描いたコメディー。

韓国の人気俳優の一人であるハ・ジョンウが、本作で監督とともに主演を務めます。またあわせて『1987、ある闘いの真実』のキム・ギョンチャンと共同で脚本も手がけました。

共演は他に『新感染 ファイナル・エクスプレス』のキム・ウィソン、『不思議の国の数学者』のパク・ビョンウン、『エクストリーム・ジョブ』のイ・ドンフィ、『チャンシルさんには福が多いね』のカン・マルグム、男性アイドルグループ「SUPER JUNIOR」のチェ・シウォン、Netflixドラマ「サムバディ」のカン・ヘリムら錚々たる面子が名を連ねています。

あらすじ

小規模テック企業の代表を務めるチャンウクは、4兆ウォンの国策事業に参画するため、ロビー活動開始を決意します。

技術者としては優秀だがビジネス業界の掟に疎いチャンウク。しかし会社倒産の危機に売り込みベタなどと言っておられず、政府で入札決定権を握るチェ室長を相手に、人生で初めての接待ゴルフ作戦を敢行します。

作戦ではチェ室長の“推し”である若き女性プロゴルファーのセビンを接待に招聘、チャンウクらは万全の準備で作戦当日を迎えます。

慣れない接待に苦戦しながらもコースを回る彼らでしたが、同じゴルフ場にライバル会社の社長やチェ室長の上司にして妻でもある長官らも居合わせ、現場は混沌として……。

作品詳細

製作:2025年製作(韓国映画)

原題:로비(英題:Lobby)

監督・共同脚本:ハ・ジョンウ

出演:ハ・ジョンウ、キム・ウィソン、カン・ヘリム、イ・ドンフィ、パク・ビョンウン、カン・マルグム、チェ・シウォン、チャ・ジュヨン、パク・ヘス、クァク・ソニョンほか

配給:日活、KDDI

劇場公開日:2⽉27⽇(⾦)よりシネマート新宿ほか全国公開

公式サイト:https://lobby-movie.jp/

「コメディー」の奥に見える違和感が示すメッセージ性

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本作は、タイトルからしてなかなかのインパクト。ただ勢いのあるコメディーを想像する人も多いかもしれませんが、実際に観てみると少し違った味わいが残ります。

物語の中心にあるのは「接待ゴルフ」。題材としては決して珍しいものではなく、どこか昔から続く慣習のようにも思える設定です。

そしてだからこそ作中の光景には、「今でも本当にこんな世界があるのか?」と感じさせる可笑しさが漂います。

権力のある相手に向けたお世辞や、妙に気を遣った空気感。登場人物たちは真剣そのものなのに、観ている側からするとどこかズレて見える。

この微妙なギャップが本作の面白さと言えるでしょう。笑いながらも、少しだけ引いた視線で眺めてしまう感覚が残ります。

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物語はロビー活動という名目で進んでいきますが、印象的なのは成功や失敗以上に、登場人物たちの必死さそのものです。

みんなが全力で動いているのに、ふと「彼らは一体何をしているのだろう?」という感覚がよぎる。この独特のユーモアが、作品に軽い皮肉のニュアンスを与えています。

主人公の辿る展開も興味深いところです。奮闘する姿はコミカルに描かれますが、その行き着く先には意外な余韻があります。

気軽に笑っていたはずなのに、どこか別の感想が残る――そんなタイプの作品かもしれません。

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主演のハ・ジョンウは、こうした空気感を支える存在として非常に印象的です。

シリアスとコミカルの間を自然に行き来する演技が、作品全体に心地よいテンポを生み出しています。脇を固めるキャスト陣も個性的で、場面ごとに違った楽しさを見せてくれます。

舞台は韓国社会ですが、描かれる人間模様にはどこか身近な感覚もあります。

接待、建前、気遣いといった要素に、思わず既視感を覚える人もいるのではないでしょうか。異国の物語でありながら、不思議なリアリティがにじむ瞬間も少なくありません。

笑える作品でありつつ、ほんの少し考える余地も残す一本。軽い気分で観に行っても、意外と印象に残る映画体験になるかもしれません!

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