ロックミュージックの歴史に燦然と輝く功績を残した伝説的ロックバンド、レッド・ツェッペリンの知られざる真実を追ったドキュメンタリー映画『レッド・ツェッペリン:ビカミング』が全国公開されました。
サウンドやビジュアルイメージなどが、現代に通ずるパブリック・イメージとして非常に強い印象を残してきた彼ら。そのバンド結成からスターダムに上り詰めるまでの軌跡を描いた本作では、現在の彼らのインタビューによりロックのトップを走り続けてきた彼らが抱いてきた思いや信念が垣間見られ、新鮮な「レッド・ツェッペリン」を感じられるドキュメンタリーとなっています。
さらに合わせて、ステージ以外のプライべートな画像、映像などが満載。往年のレッド・ツェッペリンファン、ロックファンはもとより、深くロックを知りたいという新世代の人たちにも猛烈にアピールする作品であります!
映画『レッド・ツェッペリン:ビカミング』概要
作品情報

イギリスのロックバンド「レッド・ツェッペリン」の現存メンバーが初めて公認し発表されたドキュメンタリームービー。ロックの歴史に偉大な功績を残したバンドの知られざる真実を描きます。
作品を手掛けたのは、音楽ドキュメンタリー『アメリカン・エピック』4部作のバーナード・マクマホン監督。
あらすじ
1960年代末にイギリスで結成されたロックバンド、レッド・ツェッペリン。
ギターのジミー・ペイジ、ベース/キーボードのジョン・ポール・ジョーンズ、ドラムスのジョン・ボーナム、ボーカルのロバート・プラントによって結成されたこのバンドは、1969年リリースのデビューアルバムで世界に大きな衝撃を与え、ロックシーンに大きなムーブメントを起こしました。
本作は彼らの知られざる起源をたどるとともに、1980年に32歳で急逝したジョン・ボーナムの未公開音声をはじめ、メンバーの家族写真やプライベート映像、初期のライブ映像など貴重なアーカイブコンテンツとともに、彼ら自身がバンドの歴史を語ります。
作品詳細
製作:2025年製作(イギリス・アメリカ合作映画)
原題:Becoming Led Zeppelin
監督:バーナード・マクマホン
出演:ジミー・ペイジ、ロバート・プラント、ジョン・ポール・ジョーンズ、ジョン・ボーナム、ピーター・グラント、ジェリー・ウェクスラーほか
配給:ポニーキャニオン
劇場公開日:2025年9月26日(金)より全国順次ロードショー
公式サイト:https://zep-movie.com/
貴重なインタビュー、映像で描かれた「伝説のロックバンド」の真実

日本では「ロックは不良の音楽」と呼ばれた頃。そんな時代に大きなインパクトを放ったのが彼ら、レッド・ツェッペリンでした。刺激的、攻撃的なサウンドと、一方でグラマラスながら退廃的なイメージ、ルックス。総じてみると「カッコよくもルーズ」な印象。
レッド・ツェッペリンのイメージ、そして彼らを始めとして登場したロックという音楽は、時代的なイメージとしては反体制的、まさに「不良」の音楽だったわけです。
その意味でこの物語で語られる彼らの生い立ちは、先に述べた「反体制的」「退廃的」などといったイメージとはギャップが感じられ、彼らに対する新鮮な印象が見えてきます。

物語で語られる彼らの生い立ちは第二次世界大戦後からスタート、音楽は彼らの生活を支えるための糧であったという位置づけで物語は語られます。
さらにスタジオのセッション家業から始まった彼らの音楽生活は「怠惰な」「退廃的」「荒々しい」などという当時のロックのイメージとはかけ離れ、彼らの音楽的センス、スキルとしてはもっと洗練されていた印象も見え、レッド・ツェッペリンというバンドが築いてきた音楽の実績は、想像以上に練り上げられたものであるという印象も感じられてきます。
彼らは社会的に大きく注目されましたが、その作り上げられたもの、積み上げられたものは一過性のインパクトだけではなく地道に積み上げられ、高い完成度を持ったものであったと感じるでしょう。
それ故に彼らはロックが「不良」の象徴であった時代に生まれたバンドの中でも、孤高の存在であると改めて知らされる道すじが見えてきます。

ロバート・プラント、ジミー・ペイジ、ジョン・ポール・ジョーンズと、今やすっかり伝説となったメンバーの語りの端々からは、レッド・ツェッペリンを作り上げるにあたって抱いていた熱量の高さを、今も感じることができるでしょう。
さらに興味深いのは、今は亡きドラマーであるジョン・ボーナムのインタビュー音声や映像があるという点。ロックドラムのレジェンド・プレーヤーとしては常に筆頭としてあげられる彼の、生前の姿を垣間見られる資料的価値としても非常に高く評価できる作品であります。
また彼の発言は現存のバンドメンバーも共通する、音楽に向き合う姿勢に一貫したものも見られ、バンドがロックというジャンルにおける偉業を成し遂げたグループであったことを、改めて感じさせるものとなっています。
筋金入りのバンドファンにはもちろんのこと、今の時代に生きるロックな人々にも大きな影響を与える、ロックという音楽に対する熱量を多く抱えた作品であるといえるでしょう。

