はじめに
macは4年間使えるくらいの設計をしている(保証という意味ではなく、耐久度の一つの指標)ということで、macユーザーは4年を一つの買い替え目安にしている方も多いことでしょう。
しかしながら、2020年11月に発売されたAppleシリコン(M1チップ)が優秀すぎて、別に不満もなく買い替えタイミングに躊躇してるという方もおられるでしょう。
私は無印M1チップからM1Proチップに乗り換えた時「全然違う!すごい!」となった記憶をもとに、今回諸事情重なってM5 Proに乗り換えてみたのですが「お?この程度の体感差しかないのか!」とガッカリしたのがぶっちゃけのところでした。
今回は「高いけど何となくmacを買い替えたい」程度の気持ちを持ってる方の、背中をむやみに押さないようにするための「気持ちはわかるが早まるな」レポートを書いてみました!
ただ、先にお伝えしておきますがM5Proのmacは予算を無視すれば素晴らしいと思います。
M5Proに対するdisり意図はなく、「M1Proって傑作だったのでは?」という意図が強めの体験レポートです。



前段:私の用途
こういうお話って、パソコンを何に使ってるかによって全然論点が変わってきますよね。
私の主用途はこんな感じです。
・Premiere ProやAfter Effectsを使った動画編集
・Adobe系アプリやAffinityを使ったデザイン
・Logic Proを使ったDTM
・Unityを使ったゲームや3D空間制作
・blenderを使って3Dモデルを制作(3Dプリント用の重めのメッシュを含む)
・ローカルLLM(有効な活用法を見出せずあまり触ってない)
・その他、プログラミングを含む一般的な軽い作業(ブラウジング、動画視聴、SNS利用など)
一般的なクリエイティブ用途でありながら、めっちゃくちゃヘビーな作業はしていないという感じです。
参考情報:2020年以降の私の乗り換え経緯
私は長らくのmacユーザーであり、今までの乗り換えの動機や体感が参考になると思います。
まずはAppleシリコン搭載以降の乗り換え歴と感想をまとめます。
2020年 macbook Air M1(RAM8GB、ストレージ256GB)
Appleが脱インテルして、独自チップ「M1」を搭載した初のモデルです。
このM1チップには本当に驚きました。
気軽に持ち運べるノートパソコンはネットサーフィンや文章作成程度にしか使えないと思っていたけど、これはDTMもできる、簡単な動画編集もできる、Adobe系ソフトも動く、Unityも動く、なのに全然熱くならない、ずっとアルミの冷たさ。冬なんて触るのが嫌になるくらい冷たい、本当に驚いた…
エントリーモデルの8GBというメモリはWindowsユーザーから見ると少なく感じますが、macはメモリ管理が優秀なのと、スワップが発生した場合の内臓ストレージの高速さも手伝って、私の使い方の範囲では困ることがなかったです。
当時、Adobe系のアプリもWindows版だと16GB必要だけどM1 macなら8GBで動くみたいなのもありました。
ちなみに、私がこれの前に使ってたものは、MacBook Proの2016年モデル(タッチバーが不人気で長らく叩き売りされてたモデル)だったので、Airにするとスペック落ちるんじゃないかという不安がありましたが、体感速度はめちゃくちゃ上がりました。
MacBook Pro 2016でも別に困ってなかったのですが、M1の方は明らかにさっくさくで、知ってしまうと戻れないタイプの快適さでした。



2021年 MacBook pro(RAM16GB、ストレージ512GB)
M1チップがリリースされた翌年、M1チップの強化版としてM1 Proがリリースされました。
M1チップよりも処理性能が上がったのはもちろん、チップの制限と言われていたUSBポートが増えるなど嬉しいアップデートがありました。
そうそう、初期のM1搭載機ってUSBポートが左に2つあるのみで、そのうち一つは充電に使うことが多いので実質1ポートだったんですよね。
Macは4年使うという家訓があるので、普通ならこの程度では買い換えないのですが、この時早々に買い換えた理由は、M1チップがあまりに高性能で想定以上にいろんなことができて、ストレージ256GBでは全然足りなくなったためです。
また、M1の8GBと16GBメモリ両方を使っているユーザーが「8GBと16GBで快適さが結構違う」と言っていたため、メインで使うならメモリも16GBにしちゃという意図もありました。
M1Proチップには本当に驚いた。
無印M1でも素晴らしかったのですが体感差がかなりあって、特にUnityやBlenderやAdobe系ソフトはめっちゃくちゃ軽くなりました。
M1の時にオブジェクト等を素早く動かすと描画が飛ぶことがありましたが、M1 Proだとぐわんぐわん動きます。
M1 Proほんとサクサク動く、ファンもほとんど回らず涼しい顔をしながら何不自由なくサクサク動く、重い作業をしてるとたまにアプリが落ちることがあるけど、本当によく動きます。
唯一の不満点は16インチモニタにしてしまったことで、重量があり取り回しが悪くなったことくらいでした。
4年以上酷使して、具体的な不具合が全くないという頑丈さも賞賛に値します。
ユーザーが口を揃えて言ってる「今も現役で戦える神モデル」がM1Pro搭載機なんですよね。



2026年 macbook Pro M5Pro(RAM24GB、ストレージ1TB)
こちらが本題モデルです。
前述のM1Proで動作面は不自由なかったのですが、いろいろできすぎてまたまたストレージが512GBでは足りなくなったことと、4年以上毎日使ってたのでなんとなく故障の不安が横切ったこと、何よりAppleが現行モデルを含めて腰が抜けるほどの値上げを決行したことによる「買うなら今かな!」程度の買い替えでした。
参考:Appleの値上げ、私が買ったM5 Pro(RAM24GB、SSD1TBの場合)
| 時期 | 価格 |
| 2026年3月発売時 | 369,800円 |
| 2026年6月値上げ時 | 429,800円 (+60,000円 約16%) |
この値上げは本当にえぐかった。
macbookは本当に良い製品で、頑丈で高性能なので長く使えるけど、仕事で369,800円分稼ぐのは大変なことですよね…
仕事の道具とはいえここまでの金額をかけて良いか元々の金額でも悩んでいたところに、さらに6万円の値上げです。
およそ43万円のPCとなると親族一同ドン引きして嘆き悲しむレベルです。
自分の経済事情や、お仕事のレベルでは諦めるレベルの行きすぎたツールですが、この時たまたま買っていたAI関連株が大幅に利益を出してくれて、MacBook proを買っても親が嘆かないレベルになっていたので買っちゃいました!
なお、私は値上げ後にほぼ値上げ前の価格で買いました。
今もこの方法は使えるので最後にご紹介します。



M5 Proには本当に驚いた…逆の意味で…
M5Proにして一番驚いたのは「M1Proとほぼ差を感じられない」というところでした。
「間違えて無印M5買っちゃったのかな?」って何度もスペックを確認したくらいです。
動画の書き出しやUnityのビルドなどは若干早くなりましたが、その他の普段使いで「早くなったな」と感じることがほぼないんです。
ローカルLLMもちょっと触っていますが、これも体感差ほぼなし。(モデルやチューニングによるのでこれは話半分にきいてください)
Logic Proでプラグインを多く使った時、ちょっと余裕が出た気がするけど重い時は重い。
今まで重い作業で落ちてたかと思ってたアプリも、結局落ちるのでこれはアプリやデータの問題だったかも?
とにかく、M1Proから乗り換えても、価格差ほどのメリットが感じられないが正直なところでした。
具体的なメリットは、これでしばらく自然故障はないだろうなという安心感と、ストレージの余裕が心の余裕に繋がったことくらいでした。
Appleは新製品のたびに公式サイトで「最大8倍速い」などアピールしており、数字上はそうなのかもしれませんが体感ではほぼ誤差というのがぶっちゃけところです。
たぶん、普段使いで体感できる部分はM1Proで完成してるのです。
補足:よくある誤解
MacBook Proに載っているチップは複数ありまして、現行モデルだと「無印M5」「M5Pro」「M5MAX」があります。
MacBook Proというパソコン名に含まれたProという文字と、M5Proのチップ名のProという文字が混乱につながるのですが、MacBook Proでも無印M5が載っているモデルがあります。
無印M5も優秀なチップには変わりないのですが、M5Proとは性能差があります。
クリエイティブ用途や映像系の処理が多い方は、M5ProなどPro系のチップがおすすめなのでこの点はご注意ください。
MacBook Proを買う時に、「無印M5版」と「M5Pro」版では金額も含めて結構話が変わってきますので、ご注意を!
Amazonとかだと商品名付近に「Pro」って文字が多すぎてかなり混乱します。
M5Proにして良かった点
ざっとこんな感じですが、M5Proの性能面のメリットというよりは、現時点で一番新しいモデルの恩恵という側面が多そうです。
・当分自然故障はないだろうという安心感
・OSサポートの足切りはだいぶ先になりそうという安心感
・ストレージの心配がいったんはなくなった
・まだあまり触ってないけど、ローカルLLMなどはパフォーマンスが良くなりそう
・メモリが増えたので、スワップによるSSD寿命の低下を多少は防げそう
私の使い方では、M1Proからの買い替えはほぼ「安心を買った」にとどまりました。
M5Proにして悪くなったところ
実はM1Proよりも明確に悪くなった部分として、本体がかなり熱くなるのが気になりました。
M1は全く熱くならず、M1Proはほんのり熱くなるけど気になるほどではないだったのですが、M5ProはUnityのプロジェクトを開いただけで本体が熱くなってファンが回り始めます。
チップの基本性能が上がった分、M1シリーズに比べて熱を出しやすくなったのかなと想像します。
軽作業だとM1Proと大差ないのですが、Unityでプロジェクトを開くとみるみる熱くなって、熱すぎて膝の上に置いて使うが難しくなったんですよね…
高い商品なので発熱で壊れちゃってもしんどいので、風通しをよくするとか使い方で気を使う部分が増えてしまいました。
これはもしかしたらモニタサイズが小さくなったことによる筐体サイズの小型化が原因かもしれません。
M1Proの時は16インチだったのでモニタサイズに比例して筐体も大きかったのですが、今回は14インチなので筐体が少し小さくなっています。
なので、筐体が小さくなった分、空気の流れが作りにくくなって熱がこもりやすいとかなどはあるかもしれません。(想像です)
いずれにせよ、だいぶ熱くなるのでびっくりしました。
たぶん、普段使いの体感速度はM1Proで頂点に達している
Appleシリコンがとにかく優秀な上に、macOSの最適化も手伝って、無印M1でも軽作業の普段使いだとほとんど困らないんですよね。
その高性能版であるM1Proだと具体的な不満がないくらいにはサクサクなんです。
そんななので、M5Proに変えても体感差はほとんどなくて、「確かにちょっと早くなったな」と感じるのは動画の書き出しやビルドなどであり、このちょっとの待ち時間の変化にどれくらいの価値を見出すかですね。
一方、リアルタイム性が必要な重い処理(例えばDTMのプレビューなど)は、重くてもたつくまでのボーダーラインに少し余裕が出る感じがありますが、劇的かと言われるとそうでもなかったです。
もともと激重いだったものは引き続き重いものは重いっていうのが体感です。
総じて、「数値上はM5Proがかなり優秀だけど、そもそもM1Proの完成度が高くて、価格に見合うほどの体感差がない」という感想になります。
M5Proがダメなんじゃなくて、M1Proで十分なことが多すぎるのだと思います。
なので、M1ProからM5Proにすると劇的に何かが変わるかもという過度な期待はしない方がいいかも?
買い換える前に、ストレージ不足の解決策
私はストレージ不足での買い替えだったのですが、今は外付けSSDでストレージ不足を解消するのも現実的です。
もしもストレージ不足だけが問題であれば、昨今のストレージの値上がりを踏まえても、新しくmacを買い替えるより遥かに安上がりです。
私はIOデータから出ている超小型外付けSSDを差しっぱなしで使っており、Unityのプロジェクトファイルなどはここから直接読み込んで開いても大きな動作ラグなどは感じていません。(この辺りは、プロジェクトの規模で変わってくると思いますが、私の用途の範囲では気になるほどではありませんでした)
DTMの場合は、不安要素が多いのでmac本体ストレージに移してから作業して、作業がひと段落したらまたストレージに戻すみたいな使い方がいいかも?
なおこの商品は、極小ではありますがmacbookだとギリギリ隣のポートに干渉するので、挿した両隣のポートは使えないと思った方が良いです。

外付けSSDの中ではだいぶコンパクトで、USB typeCのiPadやスマホに挿して使うこともできるのでなかなか便利なアイテムです。



結論:M1Proで具体的な不満を感じていない人は、無理して買い換えなくても良さそう
結局、M1Proが優秀すぎて、普段使いならすでに体感上限に達してるっぽく、比較的重い処理でもサクサクこなせる性能なんです。
お金に余裕があるとか、具体的にどこか壊れちゃったなどがあれば買い換えも良いでしょうが、M1ProからM5Proまで4世代ステップアップしても体感差がほとんどなかったレベルなので、「爆速になりたいから買い換える」みたいなのは期待しすぎないほうが良いかもです。
逆に、これから新たにmacを買おうかなと思ってる方にはM1Proの状態の良い中古品も有力な選択肢かもしれません。
数ヶ月の補償付きできちんとしたお店が売っているものでも15万円を切っていることがあります。
中古なので、2年も3年も長く使えるという安心感は薄いですが、予算を絞りながらとりあえず試してみたいという選択肢としては悪くないかと思います。
なお、無印M1の中古などは8GBモデルが8万円前後で売られていることがありますが、クリエイティブ用とだとmacであっても今は16GB以上メモリがないと力不足かもしれません。



公式整備済み品の勧め
アップル製品は公式整備済み品というものが販売されており、新品より15%程度安くなっています。
なんらかの理由で返品されたものなどを、Appleがしっかりと再チェックして、不良箇所は修理して、新品と同じく1年間の保証をつけて販売してくれているものです。
中古ではなくほぼ新品の状態の製品であり、箱もしっかりとシュリンクされた状態で来るので(箱は新品とデザインが違う場合あり)、言われなければ新品と見分けがつかないでしょう。
私は自分用以外にも何度か公式整備済み品を買っていますが、本当にピッカピカなものが届きます。
もしかしたら、値引き販売が難しいAppleさんが過剰在庫等を購入済みユーザーに対して角が立たないように安めに売り捌くルートにもなってるのかななどとも想像しています。(似たようなモデルが大量に出品されるので)
6月の値上げの時、私は「次のモデルから値上げかー」と思っていたら現行品もサクッと値上げされたことに気づき、あわててお値段据え置きの整備済み品を購入することにしました。
値上げ前の価格よりもほんの少し安く買えまして、執筆時点でM5Proのモデルはちょいちょい同じ価格で在庫復活しています。
もちろん、他モデルもありますので、少しでもやすく買い替えを検討している方は選択肢の一つにどうぞ!
なお、私がお勧めしてるのはApple公式の整備済み品です。
Amazonなどにも整備済み品として出品されてるものもありますが、これらは中古品を非公式業者がクリーニングしただけのものなどもあるので、私はお勧めしません。(メルカリ等で個人から買うよりはマシかなというレベル)
まとめ
Appleシリコンはすごい、そしてM1Proは本当にすごい。
M5Proは快適だけど、37万円(現在は43万円)もの価値があるかと言われるとうーん…
すでにPro系Appleシリコン使ってる人が買い換える場合、「劇的な体感速度のアップ」を期待していると肩透かしを喰らうかもというのが今回のお話でした。
では、またぶっちゃけて話したいことがありましたらぶっちゃけますね!
